京都地裁

京都地裁

 国が2013~15年に生活保護費の基準額を引き下げたのは生存権を侵害して違憲だとして、京都市の40~80代の男女42人が国と市を相手取り、引き下げ処分の取り消しと1人1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日に京都地裁(増森珠美裁判長)で言い渡される。全国で提起された同種訴訟で5例目の判決。これまでに大阪地裁が処分を取り消した一方、名古屋、札幌、福岡の各地裁は原告側の請求棄却と判断が分かれており、京都地裁の判断が注目される。

 訴状などによると、08年から13年の間に物価の指数が4・78%下落したとして、国は13年8月から15年4月までの3年間で生活保護費の基準額を平均6・5%、最大10%引き下げ、計約670億円を削減。受給世帯の96%、200万人超が対象となった。

 引き下げについて、下落率を計算する際に物価が高騰した08年を起点としたことの妥当性や、厚生労働相の裁量権の範囲内か否かが争点となっている。

 原告側は、基準額の引き下げは健康で文化的な最低限度の生活をうたった憲法25条に反すると主張。国が専門家の検討を経ず、独自の指数を用いた計算で引き下げを決めたことは裁量権の逸脱、乱用だと訴える。

 国側は、生活保護費の基準は08年以降据え置かれていたため、見直しに際してこの年を起点にしたと説明。独自の指数は、生活扶助による支出が想定される品目に着目したもので合理的だと反論している。

 原告弁護団によると、29都道府県で約900人が訴えを起こしている。大阪地裁は今年2月、「厚労省独自の指数は客観的数値や専門的知見との整合性を欠き、判断の過程や手続きに過誤や欠落がある」として原告39人に対する処分を取り消した。違憲かどうかの判断は示さなかった。他の地裁では「裁量権の逸脱や乱用があるとはいえない」として原告側の訴えを退けている。