新たな立憲民主党の誕生など野党再編から1年がたった。

 退陣を決めた菅義偉政権の歩みとも重なるが、相次ぐ「敵失」にもかかわらず、野党各党とも支持率が伸び悩む。政治に緊張感を取り戻せたとはい言い難い。衆院選が迫り、野党の真価が問われよう。

 昨年9月、旧立憲民主、旧国民民主両党などの合流による新「立憲民主党」と、立民入りを拒んだ議員の新「国民民主党」が旗揚げした。両党の結成大会翌日には、菅政権も始動した。

 立民が現在、衆参合わせて153人、国民は同20人。立民は野党第1党として菅政権への対決姿勢を鮮明にしてきた。新型コロナウイルス対策が後手に回る菅政権を厳しく批判し、先の通常国会では与野党が対峙(たいじ)した入管難民法改正案成立を阻止する成果も示した。

 だが自民党の「1強」を許してきた「多弱」の野党への有権者の関心や期待は決して高くはない。度重なる離合集散に加え、不満の受け皿となる具体的な選択肢を示せない野党の現状を、冷ややかに見ているのではないか。

 菅氏の退陣表明を受けた共同通信社の緊急世論調査で、内閣支持率は30・1%まで下がったが、政党別の支持率は立民12・3%、国民0・8%にとどまり、自民の46・0%に遠く及ばない。衆目を集める自民の新総裁選びに埋没しかねないほど野党の存在感は薄い。

 立民の枝野幸男代表は「有権者に政権交代の可能性を感じてもらえるようになった」と語るが、政権交代で何がしたいのか、目指す政治像が見えないとの声は根強い。選択的夫婦別姓の実現や「アベノミクス」の功罪の検証などで独自色を打ち出すとはいえ、発信力の弱さは否めない。より力強く政権担当能力を示すとともに、野党の結集を主導すべきだ。

 喫緊の課題は、衆院選に向けた野党間の選挙協力であろう。

 立民、共産、社民、れいわ新選組の4党は先週、消費税減税や原発のない脱炭素社会の追求といった共通政策を掲げた。小選挙区の候補者一本化も加速させたい意向だ。

 分かりやすい政策こそが共闘の結束軸となるが、脱原発などに難色を示す国民は参加せず、足並みがそろっていない。野党が結束できなければ、巨大与党に打ち勝つのは難しい。

 強い野党が強い民主主義をつくるとも言われる。野党共闘は今春以降の衆参3選挙や横浜市長選で勝利している。実績を踏まえ、協力体制構築を急がねばなるまい。