発送用のパンを仕分けする竹内さん(京都市北区・GREEN)

 「パンのネット販売が忙しくなったのは、去年の3月くらいやったかな。新型コロナウイルスが広まってきたのと、同時くらいやった」と語るのは、 GREEN(京都市北区)の店主・竹内暢(のぼる)さんだ。

 2020年4月に初めての緊急事態宣言が出された。その1カ月前ごろから、パンのネット販売の受注が増えてきたという。

 その数は、普段の受注の約1.5倍〜2倍ほどにもなった。

 「例年、夏場は(売り上げが)落ちるんですが。去年の夏ごろはかなり忙しかった。繁忙期は、去年1年間かな」と竹内さんは振り返る。

 未知のウイルスに直面し、買い物に行く機会が減ったのが原因だろうか。

 外出や外食がしにくい状況下、家でおいしいパンを食べたいという需要があったからだろうか。

 そもそも、ネット販売自体が盛んに行われるようになっていたからだろうか。

 いろいろな要因が重なり合って、ネットでのパンの受注が増えたのだろう。

つぶれないように、丁寧に箱詰めされたパンたち(京都市北区・GREEN)

 ちなみに竹内さんの店は、新型コロナの影響で、ネット販売を行うようになった訳ではない。10年前に店舗販売と並行して始めたという。

 「楽天市場」や「au PAYマーケット」などで販売しており、地方のリピーターもついている。10年の土台があったことは大きい。それでも、「ネット販売の期限は、5日くらいもらっているけど、さすがに新型コロナの感染者が増えてきた時期は、1週間くらいいただいていた。まさかこんな風になるとは思わなかった」と竹内さん。

 パンの製造、ネット販売の受注、梱包、発送を竹内さん1人でこなしているので、発送期間の延長は、やむを得なかったのだろう。

 現在(2021年9月2日時点)は、繁忙期に比べると、落ち着いてきたパンのネット販売。

 安心して外食できない状況下で、京都のパンが家に送られてくるサービスは、他府県の人々にとって、コロナ禍でのちょっとしたぜいたくだったのかもしれない。全国的にも京都のパンが評価されているのではと思えてくる。

 京都のパンが、全国の人々にささやかな希望や、ちょっとした元気の源を与えているのだと想像した。

 ☆「一日一パン」は、京都市を中心に、京都や滋賀のパン店をめぐり、毎日ひとつのパンを取り上げ、写真と記事で魅力を紹介する、「ライトプラン」以上の有料会員向け記事です。9月19日〜25日に公開される記事は、特別企画として無料でお読みいただけます。