会見で、滋賀県側の準備書面に対する怒りを語る西山さん(16日午後、大津市梅林1丁目・滋賀県教育会館)

会見で、滋賀県側の準備書面に対する怒りを語る西山さん(16日午後、大津市梅林1丁目・滋賀県教育会館)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡る再審で無罪判決(確定)を受けた元看護助手西山美香さん(41)=彦根市=が、国と滋賀県を相手にした国家賠償請求訴訟の進行協議が16日、大津地裁(堀部亮一裁判長)であった。判決を全面的に否定する内容の県側の準備書面に対し、原告側は撤回を求める意見書を提出した。

 県側は15日に同地裁に提出した準備書面で、患者の死因を「病死」とする原告側の主張を否認し、「心肺停止状態に陥らせたのは原告(西山さん)である」などと主張。再審で認定された県警の捜査の不当性についても反論し、判決で「(刑事司法に携わる)全ての関係者が人ごとではなく改善に結びつけなければならない」と述べた大西直樹裁判長の説諭も「県警としては承服し難い」とした。

 これに対し、原告側は意見書で「無罪判決の判断を正面から否定し、逮捕後16年を経て雪冤(せつえん)を果たして平穏な生活を取り戻した西山さんを再び愚弄(ぐろう)し、名誉を甚だしく毀損(きそん)するものだ」と批判。さらに「仮に西山さんが患者を殺害したと主張するなら、無罪判決を出した大津地裁などの判断が誤りだったことを証明する確固たる証拠が必要だが、何ら示されていない」と指摘した。

 進行協議後に会見した西山さんは「(準備書面を読んだ時は)怒りを通り越してあきれた。被告には真摯(しんし)な態度で臨んでほしい。道のりは遠いが、(弁護士と)一緒に戦っていきたい」と述べた。

 原告側によると、この日の進行協議で、県側代理人は「(撤回要求に)応じるつもりはない」と話したという。また、県側が次回の進行協議までに、これまでの刑事裁判の全ての記録と詳細な準備書面を提出することも決まった。国側が提出を拒んでいる裁判記録も含まれるという。