無罪否定の書面について謝罪する滋賀県の三日月知事(17日午後、大津市・滋賀県庁)

無罪否定の書面について謝罪する滋賀県の三日月知事(17日午後、大津市・滋賀県庁)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡る再審で無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(41)=彦根市=が、国と滋賀県に国家賠償を求めた訴訟で、県警が無罪判決を否定する内容の準備書面を提出したことについて、三日月大造知事は17日、臨時会見を開き「西山さんを深く傷つける表現があり、極めて不適切。心からおわび申し上げます」と謝罪した。訴訟は継続し、捜査の違法性について争う方針だが、県警が提出した準備書面の内容を修正するよう県警と県の担当者に指示した。

 被告県側の訴訟実務を担う県警は、15日に大津地裁に提出した準備書面で、患者の死因を「病死」とする原告側の主張を否定し、「心肺停止状態に陥らせたのは原告(西山さん)」などと主張。再審で認定された県警の捜査の不当性についても反論し、判決で「(刑事司法に携わる)全ての関係者が人ごとではなく改善に結びつけなければならない」とした大西直樹裁判長の説諭も「県警としては承服し難い」としていた。

 会見で三日月知事は県警が作成し、地裁に提出した準備書面の内容は事前に把握していなかったとして、「昨年3月に無罪判決が出て、大津地検の上訴放棄により(西山さんの)無罪が確定している案件。こうした経過からしても極めて不適切と言わざるを得ない」と陳謝。「(患者を心肺停止状態に)陥らせたのは原告であると確定するような書き方」を改める意向を表明した。

 三日月知事は、この日の県議会に出席した滝澤依子・県警本部長に書面の真意をただしたことを明らかにし、「本部長も(表現が)不適切で(説明が)不十分だったという見解で、(準備書面を)出し直したいという意向を持っていた」と説明した。

 今後、同訴訟で、県警側が提出する準備書面については三日月知事も確認するといい、「西山さんをはじめ、訴訟を提起されている方の心情、これまでの経過にも十分思いを致し、丁寧に主張を行っていきたい」と述べた。