東急不動産ホールディングスが学生マンションで初めて整備したフィットネスルーム(京都市右京区・キャンパスヴィレッジ京都西京極)

東急不動産ホールディングスが学生マンションで初めて整備したフィットネスルーム(京都市右京区・キャンパスヴィレッジ京都西京極)

キャンパスヴィレッジ京都西京極で毎朝・夕に提供される食事。管理栄養士がバランスを考えた献立を考える

キャンパスヴィレッジ京都西京極で毎朝・夕に提供される食事。管理栄養士がバランスを考えた献立を考える

ジェイ・エス・ビーは、学生が野菜栽培を体験できる屋上菜園を新築マンションに造った(左京区・学生会館ユニエミール京都高野)

ジェイ・エス・ビーは、学生が野菜栽培を体験できる屋上菜園を新築マンションに造った(左京区・学生会館ユニエミール京都高野)

 充実した設備やサービスを備えた学生専用の賃貸マンションが、京都市内で次々に誕生している。高度なセキュリティーと朝晩の食事提供に加え、野菜栽培を楽しめる屋上菜園に、フィットネス専用ルームも。「至れり尽くせり」と言える環境は、住人の学生のみならず、保護者の意向も働いているようだ。

 木目調の部屋におしゃれなテーブルやいすが並ぶ。東急不動産は、3月に完成した京都市右京区の学生マンション「キャンパスヴィレッジ京都西京極」(113戸)の1階にカフェ風の食堂を設けた。日曜を除く毎日朝晩、栄養士がレシピを監修したできたての食事を提供する。

 食事とともに売りにするのが「安全」だ。建物、フロア、居室と3段階でロックし、それぞれカードキーで解除する。管理するグループ会社の学生情報センター(下京区)が提供する24時間対応サービスもあり、設備の故障や健康、人間関係までをサポートする。

 施設面も分譲マンション顔負けの充実ぶりだ。初めて導入した1階のフィットネスルームには、本格的なトレーニングマシンやヨガマットを置いた。2、3階には学習専用ルームも備えた。居室にはベッドや冷蔵庫、洗濯機などの家電をあらかじめ設置し、無線LANも無償提供する。

 細やかな生活サポートと厳重な建物管理の一方、多様な共用スペースが整う住環境は、学生と親の双方のニーズを反映する。「下宿先で友達を作り、一緒に料理や勉強を楽しみたいという学生は多い。親の最大の心配は日々の食事とセキュリティーです」。同センターの木下昇執行役員は、こう説明する。

 1カ月の家賃は共益費や食事費込みで9万円前後だが、すでに7割が契約済み。その8割が女性という。

 学生用賃貸マンション地場大手のジェイ・エス・ビー(JSB)も3月、左京区で4階建ての食事付きマンション「学生会館ユニエミール京都高野」(117戸)をオープンした。1階の食堂で朝晩の食事を提供し、エントランスには宅配専用ボックスも備える。

 特徴の一つが、IoT(モノのインターネット)対応設備。自室のエアコンや照明などの家電をスマートフォンから遠隔操作でき、不審者の侵入などを知らせる機能もある。スマホで解錠できる玄関ロック、24時間対応の警備会社駆け付けサービスなども用意した。

 住人の交流を促すため、屋上菜園も開設。農園運営のマイファーム(下京区)と提携して栽培管理を委託し、収穫した野菜は食堂で調理する。学生や保護者への人気も高く、契約時は最大120人のキャンセル待ちが出たという。JSBは「できることは全て詰め込んだ」とし、今月には同シリーズの物件を草津市にも開設した。

 学生マンションの供給が活発な背景には、学生数の堅調な伸びがある。進学率の向上で全国の大学・短大生や専門学校生らの総数は2018年が374万人と3年連続で増加。留学生は年10%程度伸びる。中でも人口に占める学生割合が1割と全国トップの京都市は特に有望な市場だ。

 一昨年に学生マンション事業に参入した東急不動産は、左京、伏見両区でも新築物件を開発中で、20年春に完成する見込み。同社は「業界トップクラスとなる年間1千室程度の開発体制をつくる」とし、供給を加速させる考えだ。