高校生からの質問に答える本庶教授と、笑顔を見せる山中教授(8日午後4時6分、京都市左京区・ロームシアター京都)

高校生からの質問に答える本庶教授と、笑顔を見せる山中教授(8日午後4時6分、京都市左京区・ロームシアター京都)

 ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(77)と山中伸弥教授(56)が8日、京都市左京区のロームシアター京都で「先端医学が拓(ひら)く未来」と題したシンポジウムに登壇した。会場には高校生ら約1800人が詰めかけ、生命科学が社会にもたらす希望について考えた。

 高校生からの質問に答えるコーナーでは、周囲に流されず自らの研究を貫けた理由を問われ、本庶教授は「自分が熱中できるものならば、誰の目も気にならない。そういうものを見つけるのが大切」と答えた。医療技術の進展で寿命が延びることと幸福の関係に関する質問に山中教授は、日本の高齢化に対応する社会変革の必要性を述べた上で「これだけ寿命が延びても幸せになれると世界に見せないとだめ」と語った。

 狙った遺伝子を改変できるゲノム編集の臨床応用への意見を問われ、本庶教授が「長期的にどのようなことが生じるか理解せずに、科学者の興味やごく一部の人の短期的な利益で判断するのは慎重であるべき」と話す場面もあった。

 このほか、日本の科学研究の環境が悪化している現状について山中教授は「研究にお金がかかるようになっている。研究費を配分する時に、本庶先生のような目利きできる人に関わってもらうなど大胆なことをする必要がある」と述べた。

 会場から寿命と幸福に関する質問をした立命館高3年の小川萌さん(17)は「医療の進展が幸せにつながる社会を作っていく、という山中先生の答えが新鮮でした」と感銘を受けた様子だった。

 シンポジウムは読売新聞社が主催した。