「祈りの聖地」をテーマにした作品と熊野の自然崇拝について語る平さん(京都市右京区・仁和寺)

「祈りの聖地」をテーマにした作品と熊野の自然崇拝について語る平さん(京都市右京区・仁和寺)

 「祈りの聖地」をテーマにした写真展が、真言宗御室派総本山の仁和寺(京都市右京区)で26日まで開かれている。熊野の自然崇拝や沖縄の聖地「御嶽(うたき)」を題材に、写真家平寿夫さん(61)=大阪府高槻市=が、深い森や清流、大海を人々が尊んだ精神風土を伝えている。


 平安時代の888年に仁和寺を創建した宇多天皇は、出家して入寺後に紀伊山地の霊場へ参ったことをきっかけに「熊野詣で」が後には民衆や武士にも広まった。


 仁和寺御殿の白書院と黒書院の座敷には、和歌山、三重、奈良の3県にまたがる熊野地域で清らかな流れをとらえた「和田川」や「山の神」、河原のみそぎ場を撮影した「奥の宮」などの作品が並ぶ。神々しい光が熊野灘の大海原に降り注ぐ光景をとらえた「那智の海」について、平さんは「海の向こうに理想郷を見いだす考えは、はるか遠く離れた沖縄でも祖先が住むと信じられた『ニライカナイ』信仰と共通している」と話している。


 午前9時~午後5時、要拝観料。