阪急京都線の線路下を通る国道9号のアンダーパス。豪雨のあった8月に冠水した(京都市右京区西院)

阪急京都線の線路下を通る国道9号のアンダーパス。豪雨のあった8月に冠水した(京都市右京区西院)

冠水した国道9号のアンダーパス。乗用車が水に浸り、身動きが取れなくなった(8月14日午前9時半ごろ、京都市右京区西院)=ウェザーニュース提供

冠水した国道9号のアンダーパス。乗用車が水に浸り、身動きが取れなくなった(8月14日午前9時半ごろ、京都市右京区西院)=ウェザーニュース提供

国道9号のアンダーパス手前にある注意表示。電光掲示板は道路の水位が基準を超えると「通行止め」の表示になる(京都市右京区西院)

国道9号のアンダーパス手前にある注意表示。電光掲示板は道路の水位が基準を超えると「通行止め」の表示になる(京都市右京区西院)

冠水時にガラスを割って脱出するためのハンマーやシートベルトを切断するためのカッター=国土交通省ホームページ

冠水時にガラスを割って脱出するためのハンマーやシートベルトを切断するためのカッター=国土交通省ホームページ

 前線の停滞で大雨が続いた8月、線路や道路の下を通過する道路「アンダーパス」の冠水が京都市内で複数発生し、国道9号で乗用車1台が取り残される事案も起こった。アンダーパスは京滋に計約200カ所あり、全国では死亡事例もあることから、国は「無理して通過せず、迂回(うかい)して」と注意を呼び掛けている。

 アンダーパスは路面が低くなっている道路で、急激な降雨の際は排水が追いつかず、冠水しやすい。国土交通省によると昨年3月末時点で、京都府内に98カ所、滋賀県内に99カ所ある。

 8月14日の京都市内は午前9時からの1時間雨量が42・5ミリに達し、阪急京都線の線路下を通る右京区西院の国道9号が冠水。国交省京都国道事務所(下京区)によると、午前9時ごろから水がたまり始め、アンダーパス手前の電光掲示板には通行禁止の表示が出ていたが、乗用車1台が進入し、立ち往生した。水位は最大で70センチに達し、運転手の男性は自力で脱出した、という。

 同じ頃、西京区の市道でも冠水が起き、トラックが一時立ち往生した。市によると、ここ5年間、市道が冠水した事例はなかったという。

 今回の冠水で死者は出なかったが、2016年9月には愛知県清須市の県道で、アンダーパスが3メートルほど浸水し、乗用車1台が水没、運転手の女性1人が死亡した。19年10月の台風19号や大雨では、全国で車で移動中の34人が水害で亡くなっている。

 こうした事態を受けて、国交省は19年11月に冠水時の運転についての注意点を公表。水が車両の床面を超えると、エンジンやモーターが停止したり、水圧でドアが開かなくなったりする危険を解説し、アンダーパスに進入しないことを呼び掛けている。

 京滋地域のアンダーパスの場所は、近畿地方整備局のホームページにある「道路防災情報Webマップ」で見ることができる。

■冠水で車内閉じ込められたら

 冠水した道路で自動車が動かなくなり、閉じ込められた時にはどうすればいいのか。国土交通省は「少しでも早く脱出することが重要」としている。

 国交省は、ドアが開かなくなった場合に備えて、ガラスを割って脱出するためのハンマーやシートベルトを切るための専用カッターを勧める。用具はカー用品店などで購入できる。

 水深がドアの高さの半分を超えると、水圧でドアがほぼ開けられなくなる。その場合、車内外の水の高さが一緒になると、ドアが開けやすくなるので、落ち着いて行動してほしい、という。

 水が引いた後にも注意が必要だ。一度浸水した車両は発火の恐れがあり、エンジンをかけてはいけない。内部の電気装置が損傷している恐れもあり、専門業者で点検することも必要になる。