長浜市で毎秋開かれてきた環境産業の総合見本市「びわ湖環境ビジネスメッセ」が、参加者の減少を背景に来年度の休止を決めた。先月、第22回の開会式で実行委員会が表明した。

 平成不況の色濃い1998年、環境分野を滋賀の新たな産業の柱に―と産学公連携で始まったのがびわ湖メッセだ。大都市から離れた湖北の地に毎年3日間、海外企業を含む300社前後が出展し、3~5万人近いビジネス関係者を集めてきた。

 西日本有数の環境見本市にまで育ったのは、地元産業界の熱意に加え、かねて琵琶湖の富栄養化防止などに取り組んできた県民の意識の高さがあったからだろう。休止は苦渋の末だろうが、理由や経緯についていまだに詳しい説明がなされないのは理解に苦しむ。

 折も折、世界では地球温暖化対策強化の機運が高まっている。今回のメッセの1カ月前には、国連の気候行動サミットに合わせて150カ国以上の若者が一斉行動を起こし、注目を浴びた。メッセが休止する来年は温室効果ガス排出削減のパリ協定が本格始動する年である。

 引き比べて、湖国の取り組みは後退したかにみえる。実行委メンバーの滋賀経済産業協会や滋賀県などは、自らの決定の重さを認識してもらいたい。

 水浄化やリサイクル技術、バイオ素材などの開発・普及をいち早く後押ししたびわ湖メッセだが、同種の催しが増えるにつれて首都圏の大規模会場などに押されて出展者が減っていた。赤字転落が目前に迫り、実行委は従来の出展料に加えて来場者からも入場料を取ることなどを急きょ検討したようだが、まとまらなかった。

 すでに数年前から、アンケートでは出展者の満足度が目にみえて下がっていた。黄信号はともっていたわけで、対応が後手に回った面がなかったか反省の余地がある。

 実行委は2年後の2021年のメッセ再開を目指すという。行政が引き続き人的・財政的に参画することが再開の前提なのだろうが、であればなおのこと、県民に対して問題点を明らかにし、新生メッセが地球環境にどう貢献するのか説明する必要がある。温暖化対策への本気度を示す意味でも、少なくともメッセ立て直しの議論をオープンにすべきだ。

 産業見本市に求められる役割は変化している。参加者の目的は情報収集・交流から、会場での商談・契約という具体的成果に移っている。単なる情報収集ならインターネットで事前にできるからだ。

 びわ湖メッセも商談の支援を強化してきたとはいえ、ノウハウで勝る民間業者企画の見本市はさらに上を行く。勝ち組とされる東京など他都市のイベントも、中国をはじめアジアで増えている巨大展示会との競争が激しい。

 「環境と経済の両立」をうたうだけではもはや物足りない。湖国には、より踏み込んだ地球環境への貢献を求めたい。とりわけ若い世代が見つめていることを忘れてはならない。