「平成」の投票率の推移

「平成」の投票率の推移

 7日に投開票された京都府議選、京都市議選の投票率はいずれも過去最低を更新し、市議選は初の30%台に落ち込んだ。一夜明けた8日、投票に行かなかった市民、陣営関係者や有識者の話から、低下傾向が止まらない背景を探った。

 府議選は前回2015年より1・72ポイント減の40・03%、市議選は2・89ポイント減の38・06%。今回の特徴は、府議選の京都市内5選挙区で無投票になり、市議選の低下が目立ったことだ。

 5選挙区で落ち込み幅が最大だった南区の選挙事務所関係者は「府議選の選挙カーが走らず、選挙戦全体が盛り上がりに欠けた。府議選立候補者の支援者も市議選の投票に行かなかったのではないか」と語る。

 低投票率は府議選の無投票だけが原因ではなさそうだ。伏見区のタクシー運転手(73)は「桜が満開で仕事がピークとなり行けなかった」と話す。右京区のショッピングセンターで買い物をしていたパート女性(32)=同区=も「子育て中で忙しかった。インターネットで投票できればいいのに」とこぼし、「候補者は実現できないような政策を訴えており、投票に行っても状況は変わらない」と諦めの心境を打ち明けた。

 今回の投票率は平成最初の1991年比で府議選が12・48ポイント、市議選が11・07ポイントそれぞれ低下した。長期的な下落傾向を有識者はどうみるのか。

 京都大法学研究科のヒジノ・ビクターレオナードケン准教授(地方政治論)は「中選挙区制は有権者に政党よりも議員とのつながりや知名度といった個人票を促す制度だ。しかし有権者は以前に比べ、地域や各種団体とのつながりが薄れた」と解説。一方、増えた無党派層は明確な争点がない場合、立候補者の訴えを選挙公報やインターネットで調べるのは手間がかかり、敬遠するという。

 政策本位で政党間の競争を強化する制度に抜本的に見直す必要があると指摘した上で「母国スウェーデンなど欧州で導入され、投票率が60~80%と高い比例代表制のほか、政務活動費に代わる政党助成金を地方でも導入するべきだ」と提言する。

 同志社大総合政策科学研究科の新川達郎教授(地方自治論)は、今後も投票率の低下が進んだ場合の影響を懸念する。「地方議会を縮小・廃止しても、地方自治は首長選挙だけで実現できるという論調が強まりかねない。権力分立や多様な意見の反映という観点から危惧される」と語った。