亡くなった父親の遺影を掲げ、和解成立について思いを述べる原告ら(京都市中京区)

亡くなった父親の遺影を掲げ、和解成立について思いを述べる原告ら(京都市中京区)

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み、肺がんや中皮腫などを発症した京都府内の建設労働者30人の本人や遺族らが国と建材メーカーに損害賠償を求めた第2次訴訟は、京都地裁(井上一成裁判長)で27日、労働者9人について原告側と国との間で和解が成立した。原告側弁護団によると、国は1人当たり最大1300万円の慰謝料など、計約1億1100万円を支払う。

 全国9地裁に千人以上が起こした「建設アスベスト訴訟」は、最高裁が今年5月に国の賠償責任を認める統一判断を示した。原告側と厚生労働相が交わした基本合意書に基づく和解成立は札幌高裁、大阪地裁に次いで3件目。

 京都地裁での第2次訴訟は2017年1月に提訴された。原告側弁護団は、残る原告についても国との和解を進めていくとしている。第1次訴訟は今年1月、最高裁が被告側の上告を退け、原告1人を除いて国とメーカーの賠償責任が確定している。

 和解後、原告や弁護団が京都市内で会見した。解体工だった父の前川清さん(享年63)が提訴に向けた準備中に中皮腫で亡くなり、代わって原告となった長男の武司さん(46)=伏見区=は「父は『アスベストは憎い、裁判で和解してほしい』と言っていた。やっと認めてもらったぞ、と伝えたい」と話した。

 一方、第2次訴訟ではメーカー16社にも賠償を求めているが、原告側弁護団によると、いずれも和解協議に応じる動きはないという。メーカーの責任は、第1次訴訟に続き、5月の最高裁判決でも一部認められてきた。村山晃弁護団長は「一番責任をとるべきなのは企業。社会的責任を果たさせる」と述べ、地裁に早期の判決を求めていくとした。