陸自饗庭野演習場での迫撃砲の誤射について会見で説明する山崎陸上幕僚長(東京都新宿区・防衛省)

陸自饗庭野演習場での迫撃砲の誤射について会見で説明する山崎陸上幕僚長(東京都新宿区・防衛省)

 陸上自衛隊饗庭野演習場(滋賀県高島市)で14日の射撃訓練中に迫撃砲の実弾1発が同市の国道303号近くに着弾し、民間車両を損壊した問題で、山崎幸二陸上幕僚長は15日、防衛省で会見し、迫撃砲の射撃設定に誤入力があったことを明らかにし、「人為的ミスが有力な要因」と述べ、謝罪した。また、他に迫撃砲弾2発が一時不明になり、演習場内で発見したと発表した。被害はなかった。陸自は同日までに陸自中部方面隊(兵庫県伊丹市)に事故調査委員会を立ち上げた。

 陸上幕僚監部によると、車両を損壊させたのは、信太(しのだ)山駐屯地(大阪府和泉市)所属の第37普通科連隊が、14日午後1時15分ごろに発射した81ミリ迫撃砲弾。着弾点は、発射地点の2・5キロ西にある目標から北へ約1キロずれていたという。

 陸幕の説明では、訓練当初、迫撃砲の照準を調整するため砲弾3発を試射。2発目までは着弾点が確認できなかったが、観測係の隊員が目標より手前に落ちたと認識し、設定を200メートル伸ばして3発目を発射。1、2発目が着弾点不明となり、3発目が民間車両を損壊した。3発目が目標より大きく北にそれて着弾したことが確認できたため、隊員が迫撃砲の設定を調べると、目標から右へ22・5度ずれていたという。

 同連隊は設定を修正して訓練を継続。その後、滋賀県警から民間車両に損壊があったという連絡を受け、午後2時57分に中止した。

 山崎陸幕長は「入力ミスは、隊員による人為的な要因が有力。また、着弾が確認できないのに次弾を発射した点も含め、分析しなければならない」と述べた。山田宏防衛政務官は大津市の滋賀県庁で「1キロも目標からそれることはありえない」と話した。

 陸幕によると、14日の射撃訓練は、午前中に実施した後、午後1時15分から再開。迫撃砲2門を使用し、試射を含めて砲弾計42発を発射した。15日朝から演習場内外で不明の砲弾2発を捜索、同日午前に砲弾の破片を演習場内で発見した。

 今回使用した81ミリ迫撃砲弾は、地面に落ちると破裂し、飛散した破片で半径数十メートルの人間を殺傷する能力があるという。