京都市上下水道局が買い戻し、売却する方針を固めた伏見水環境保全センターの隣接地(伏見区横大路)

京都市上下水道局が買い戻し、売却する方針を固めた伏見水環境保全センターの隣接地(伏見区横大路)

 京都市上下水道局は、市土地開発公社が1993~94年度に約31億円で先行取得した伏見区の土地を利息分を合わせて約50億円で来年度に買い戻し、売却する方針を固めた。公社が長期保有する土地の簿価を約半減させる大口の案件となるものの、路線価を参考に見積もった売却額は推計約7億円にとどまり、損失は約43億円に上る見通しだ。

  このほどあった市議会の質疑で、同局の山添洋司管理者は「多くの損失を発生させたことは遺憾で、組織として大いに反省しなければならない」と述べた。
 市が公社を設立したのは1973年。地価上昇が続く時代は公社が土地を少しでも早く先行取得する意義はあったが、バブル崩壊で状況は一変。活用機会を逸した「塩漬け土地」を多数抱え、公社保有地の簿価は1996年度に最大の約1280億円に上った。2018年度末で保有地は9カ所、簿価は約100億円。
 買い戻すのは下水処理場「伏見水環境保全センター」の北西に隣接する土地(同区横大路菅本)で、広さ約1万1千平方メートル。簿価は約49億3千万円。現在は民間企業に資材置き場や駐車場として貸し付けており、毎年100~200万円の収入があるという。
 元は周辺地域の市街化による汚水量の増加と高度処理施設の導入を見込んで公社が購入したが、想定より市街化が進まず、節水機器の普及もあって汚水量は増えなかった。技術の進展で処理施設もコンパクトになり、昨年3月に「土地は不要」と判断した。
 施設運営の民間委託や営業所の再編など経営改善を進めた結果、企業債(借金)を発行せず、財源として本年度と来年度に積立金を確保できるめどが立ったという。売却方法や時期については未定で、同局は「来年度のできるだけ早い時期に売却したい」としている。
 買い戻し後は公社の保有地が左京区大原や南区久世など残り8カ所となり、市は28年度までに購入するなどし、公社を解散する方針。