ギャラリーに改修した8畳間の座敷でほほえむ徳地さん。茶道具を飾り、投扇興などを体験できる(京都市中京区・○△□乃徳)

ギャラリーに改修した8畳間の座敷でほほえむ徳地さん。茶道具を飾り、投扇興などを体験できる(京都市中京区・○△□乃徳)

 煎茶道の研さんを積んだ女性が、茶道を主とした京の文化を発信しようと一念発起し、京都市中京区の円町で長屋を改修してギャラリー兼カフェを開いた。築100年前後とみられる長屋で約40年間、学習塾を営んでおり、ギャラリーと塾が同居するユニークなしつらえにした。

 煎茶道売茶真(ばいさしん)流の総師範を務める徳地洋子さん(70)。徳地さんは中京区下立売通西大路東入ルにある2階建ての長屋のうち1軒を約40年前に購入。塾を開き、小中高生を指導してきた。

 しかし、長屋の老朽化が著しいため、昨年に全面改修を施して昔の町家のたたずまいを復元。住居にしていた1階をギャラリー兼カフェ「○△□乃徳(まるさんかくしかくのとく)」とした。2月下旬に開店し、2階は引き続き塾にした。

 坪庭に面する座敷のギャラリーでは、京都の作家が手掛ける茶道具の鑑賞や、味と香りで茶をきき分ける茶歌舞伎と投扇興の体験ができる。板間では徳地さんの話に耳を傾けながら煎茶を満喫できる。京都文化の講演や実演も随時行う。

 「観光客や若い人に伝統を伝えることと、子どもに生き方を教えることは共通点がある」と語る徳地さん。毎年春と秋に能や狂言と共に煎茶を味わう茶会を社寺や町家で催してきた。古希を迎え、念願だった京都検定1級合格も果たした。産声を上げたばかりの和空間。「多くの人が顔の見える間柄で集う場にしていく」と誓う。