実施したアンケートと結果

実施したアンケートと結果

 滋賀県彦根市の交番で当時19歳の男性巡査(20)=懲役22年判決が確定=が上司を拳銃で射殺した事件は11日、発生1年を迎える。京都新聞社は、未成年警察官の拳銃携行の是非について、滋賀県や京都府などで524人にアンケートを実施した。ほぼ半数の255人が「未成年警察官に拳銃を持たせない方が良い」と回答し、現行制度に広い理解が得られていない実態が明らかになった。

■反対半数も、滋賀県警「見直すことない」

 アンケートは、3月中旬から4月上旬、滋賀県と京都府の街頭などで実施。10~80代の男性271人、女性252人、性別無回答の1人に調査票に記入してもらった。

 未成年警察官の拳銃携行については2択で、「持たせない方が良い」は48・7%、「現行のままで良い」は50・8%だった。3人は回答しなかった。男性の56・1%が「現行のままで良い」だったが、女性は45・2%で性差が表れた。

 「持たせない方が良い」と回答した人に、望ましい拳銃貸与のあり方を5択で聞くと、「成人、未成年にかかわらず、数年の現場経験の後、一定の評価や技量を満たした警察官にだけ拳銃を持たせる」を59・8%が選び、より慎重な運用を求めた。「20歳までは現場に出さない」(20・7%)「スタンガンなど威力の低い武器を持たせる」(14・9%)などを選択した人も一定いた。

 理由を記述式で尋ねると、「持たせない方が良い」とした人は「精神的に未熟で、感情のコントロールができない」「事件があったので非常に怖いと思った」などと記した。「現行のままで良い」と回答した人は「市民を守るため」「危険な業務なので必要」などの理由が目立った。一方で、「警察学校での教育を徹底してほしい」などと注文を付ける人もいた。

 滋賀県警は事件後、「拳銃貸与のあり方を見直すことはない」としている。

■大谷昭宏さん「不安の声、重く受け止めを」

 警察問題に詳しいジャーナリスト大谷昭宏さんの話 彦根の事件だけを捉えて、今の警察システムを大きく変える必要はない。拳銃所持により犯罪抑止効果が期待できる。新人警察官は持っていないとなると、凶悪犯が強硬手段に訴えた場合、自身や国民の安全を担保するのは難しい。

 一方で、市民からこれだけ不安の声が寄せられたアンケート結果は重く受け止めるべきだ。昨年は富山の交番で警察官の拳銃が奪われる事件も起きた。警察官と拳銃という特殊性を認識し、滋賀県警にとどまらず、警察庁も工夫や対策を取らないことは許されない。とりわけ、時代に即した若手の教育は、今回の事件を教訓にしてほしい。

【未成年警官と拳銃】 日本の警察官は、警察学校で高卒なら10カ月、大卒なら6カ月の教育を受けた後、「職場実習」という形で拳銃を携行する現場任務に就く。警察学校では、拳銃の取り扱いに関する指導を60時間以上受ける。彦根の事件は、現場配属から3カ月後の犯行で、2月の大津地裁の判決では「警察学校で十分な教育を尽くすに至らず、未熟な警察官が拳銃を携帯していた」と指摘された。