新たな観光資源にとクリを植樹した「めぐみの森」。食害を免れて成長したクリの木が残る(滋賀県栗東市荒張)

新たな観光資源にとクリを植樹した「めぐみの森」。食害を免れて成長したクリの木が残る(滋賀県栗東市荒張)

 旧近江国栗太郡にあったというクリの巨木の伝承にちなみ、滋賀県栗東市商工会と金勝生産森林組合が特産化を目指して8年前に着手したクリ園「めぐみの森」(同市荒張)の計画が難航している。植えたクリの木がシカとイノシシの食害で思うように育たないためで、新ブランド「栗東のクリ」誕生への道のりは厳しそうだ。
 めぐみの森は金勝山麓に同組合が保有する1・83ヘクタール。市商工会と協力し、新たな観光資源としてクリを用いた商品開発とクリ拾いができる果樹園の整備を計画した。2011年春に苗木500本を市民約200人の協力で植樹した。
 しかし翌年以降、シカなどに樹皮が食べられるなどして苗木が枯れ、100本以下に減ってしまった。周囲にはシカよけのネットを張り巡らしていたが効果がなかったという。
 同組合などは追加対策として、3年前に新たに数十本を植樹し、昨年10月には約100メートルにわたって鉄製フェンスを設置した。市内にある三菱重工業の工場の社員もCSR(企業の社会的責任)活動の一環で年2回、雑草刈りと肥料やりをボランティアで行っている。
 同組合の澤幸司組合長(80)は「収穫はできるが、現実に思うように良いクリが育っていない」と話し、市商工会も「自然相手なので仕方ない」とする。両者は今後も鉄製フェンスを増設するとともに、新たに造成した場所にクリの苗木を植樹していくという。