雨の日、雨が床から染みだしている通路。雨漏りすると駅員は、吸水マットや三角コーンを立てて対策している(8月20日、京都市下京区・阪急京都河原町駅周辺)

雨の日、雨が床から染みだしている通路。雨漏りすると駅員は、吸水マットや三角コーンを立てて対策している(8月20日、京都市下京区・阪急京都河原町駅周辺)

天井から雨漏りする6番出口。側溝の排水工事に加え、水を通路脇に誘導する雨どいも設置した(阪急京都河原町駅周辺)

天井から雨漏りする6番出口。側溝の排水工事に加え、水を通路脇に誘導する雨どいも設置した(阪急京都河原町駅周辺)

 阪急電鉄が京都河原町駅(京都市下京区)と烏丸駅(同)を結ぶ地下通路の雨漏りに、長年悩まされている。大雨が降ると、数カ所で天井や壁から漏水する可能性があるため、駅員がそのたびに構内を巡回し、漏れていれば対処しなければならないからだ。地下通路は完成から60年近く経過。原因は設備の老朽化…と思いきや、そう単純ではなさそうだ。

 市内で記録的な大雨が降った今年8月14、15日。阪急電鉄によると、四条河原町交差点付近の地上につながる3、6番の各出口、高島屋連絡口(旧7番出口)で、雨漏りが発生。特に3番出口付近では、側溝から水があふれ出し、一時、通行に支障が出るほどの水たまりができたという。

 こうした雨漏りが発生し始めたのは「かなり前からで、いつかはっきり分からない」(広報課)。漏水するのは京都河原町駅周辺の改札外で、強い雨が降ると、出口や通路の数カ所で、天井や側壁、床から水が染み出てくる可能性があるという。

 そのため駅員は長年、強い雨が降るたびに、駅構内を巡回。漏水を見つけると、通行者が滑らないよう、吸水マットを敷いたり、「雨漏り注意」と張り紙をした三角コーンを置いたりといった対応を続けている。

 原因は何か。地下通路の完成は1963年だが、「老朽化が原因ではない」(広報課)とする。地下通路は商業ビルが立ち並ぶ四条通と平行に走る。「ビルの建て替えや改修工事に伴って、地下水の流れに変化が生じるため」と説明し、「根本的な漏水元が特定できないので、その都度対処するしかない」と明かす。

 ビル工事の時期や場所は変わるため、漏水も、常に同じ箇所ではなく、突然止まったり、別の箇所で新たに発生したりするという。常に警戒が欠かせず、いたちごっこのようになっているのが現状だ。

 さらに駅員を悩ませているのが、近年増加する短時間豪雨。雨漏りの回数や、通路に染み出る水量が増えているという。3番出口で水たまりができた8月15日以降、阪急電鉄は、側溝の水を流れやすくする排水工事を行った。天井から雨漏りした6番出口でも排水工事に加え、水を通路脇に誘導する雨どいを設置したという。

 通行者が足を滑らすなどしてけがをしたケースはないのか。「幸いにも、けがしたという声も、雨漏りに対する苦情も聞いていない」。とはいえ、今後も完全に防ぐことは難しいとし、広報課は「抜本的な対策ができず、申し訳ない。通行者の安全のため万全を期すが、歩く人も気を付けてほしい」と話している。

■豊富な地下水

 京都の地下水に詳しい楠見晴重関西大教授(地盤環境工学)の話 雨漏りの原因が、雨が地下通路のどこかに入り込むからなのか、雨で地下水位が上がるからなのか、因果関係は調査しないと分からない。ただ、京都盆地には琵琶湖の水量に匹敵する水が地下にあり、地下通路も、その地盤の上に造られていることは間違いない。