ふるさと納税制度で過度な返礼品競争を防ぐ改正地方税法が成立した。

 改正法は返礼品を「調達費が寄付額の30%以下の地場産品」に規制する。違反した自治体は制度の対象外となり、6月から寄付しても税優遇が受けられなくなる。

 自治体は事前に返礼品などに関する書類を添え、総務省に申請しなければならない。ルールを順守すると見込まれた自治体だけが対象に指定され、制度を活用できる。

 だが、地場産品かどうかを示す具体的な基準は明記されていない。総務相が判断するというあいまいな扱いとなった。

 寄付の集め方は自治体の自由裁量に委ねられてきたが、制度は大きな転換点となる。「国による事実上の許可制」(野党議員)に移行することにならないだろうか。

 高級和牛など、豪華すぎる返礼品が制度の趣旨をゆがめたのは事実だ。総務省はこれまでも一定の基準を示し、競争に走る自治体を戒めてきたが、返礼品の見直しに応じないところもある。駆け込み寄付を狙い、大阪府泉佐野市は通販大手アマゾンのギフト券を贈る「100億円還元」キャンペーンを2月に開始した。

 不公平さを解消するため政府が法規制に踏み切ったのは制度存続上やむを得ない措置といえる。

 とはいえ国の介入には「本来の趣旨を逸脱する」「地方分権に逆行する」との懸念も指摘されている。総務省は泉佐野市など全国4自治体への特別交付税を減額した。同省は返礼品問題でのペナルティーではないと強調するが、「懲罰的だ」との批判も出ている。

 ふるさと納税は、自治体に寄付すると自己負担の2千円を除いた額が住民税などから差し引かれる仕組みで2008年に始まった。17年度の寄付総額は過去最高の約3653億円に達する。

 寄付控除により都市部では住民税収入がマイナスとなる例が目立つ。高額所得者の節税対策に使われているとの批判も根強い。制度の見直しが必要なのは明らかだ。

 ただ、被災地支援にふるさと納税を活用した人は多い。寄付文化を一定根付かせた側面はある。故郷を応援するといった本来の趣旨を踏まえ、地方自治体は決められたルールの下でいかに地域を活性化させるかに知恵を絞ってほしい。

 法改正を受け、寄付税制や制度自体の在り方についても議論をさらに深めたい。長期的な視点に立ち、返礼品の存廃を含めた抜本的見直しが必要ではないか。