【資料写真】京都市

【資料写真】京都市

 自民党の岸田文雄総裁が首相に選出された4日、京都府、滋賀県の市民からは新たなリーダーに期待や注文の声が上がった。新型コロナ禍で市民生活は厳しさを増す。暮らしの立て直しに指導力が求められるが、党内派閥に配慮したような内閣の顔ぶれに「どれだけ思い切った仕事ができるのか」といぶかしむ見方も広がった。

 京都市下京区でシャツ店を営む男性(61)は「新型コロナウイルスの流行でシャツの需要も激減している。コロナ収束と経済対策に何より力を入れてほしい」と願う。一方で「内閣は派閥のバランスを取り過ぎていて、党の重鎮の意見に振り回されないか心配」とも語った。

 長年、米作りに携わっている滋賀県近江八幡市の農家男性(66)は「新型コロナ禍で米の価格が落ち込み、食料自給率も下がっている。地域経済の冷え込みは大きく、農政改革や経済政策に国民の目線で取り組むかを注視したい」。

 京都府宇治市の宇治川沿いを散策していたバイオリニストの女性(60)も「派閥ではなく国民一人一人の思いと向き合い、誠実に説明する政権に」と求める。新型コロナの緊急事態宣言が解除されたことで対策の緩みを心配し、「予防をしなくていいという誤解を招かないよう、首相自身の言葉で分かりやすく丁寧に呼び掛けてほしい」と話した。

 「また首相が変わったのかという程度で、特に印象はない」と突き放すのは大津市でスケートボード用品店を営む男性(42)。「国民が望むことはやってもらえないのに、東京五輪のように望んでいないことは決まるので、政治にあまり期待や関心を持てない」。東京五輪で日本人選手が活躍したスケートボードだが店の経営には思ったほど影響がないといい、「自営業にもっと優しい政治を」と求めた。

 京都府福知山市内で障害者就労支援施設を運営する女性(50)は「障害者のサービスの種類は増えてきたが、認定区分がひとくくりで、必要なサービスが受けられない人がいる」と嘆く。「それぞれに合ったサービスが受けられるようにしてほしい」と福祉への注力を求めた。

 長年河川ごみの清掃に励む京都府亀岡市の男性(67)は「海外に比べて取り組みが遅れている環境問題について前向きに考えてくれそう」と期待する。「気候変動や、プラスチックによる海洋汚染が起きていて、国と地方が一体になって考えないといけない。岸田さんには国民を引っ張るような存在になってほしい」と願った。