新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除となり、先の週末は京都はじめ各地で観光客の姿が多く見られた。酒類提供の制限も緩和され、久しぶりに飲食店を訪れた人もいた。

 感染が収束に向かえば、移動の自由なコロナ禍前の日常が戻ってくるというわけだ。

 とはいえ、ワクチン接種がさらに進んだとしても、ウイルスの広まりやすい冬場を迎えると、いわゆる感染の「第6波」が襲来すると予測されている。

 注意を怠ることなく、感染防止に努めることが大事である。

 第5波さなかの8月2日から先月5日にかけて、京都、滋賀を含む全国50の消防では、重症化した患者らの受け入れ先が決まらない「救急搬送困難事案」が計約3600件もあったとされる。

 病床の逼迫(ひっぱく)による深刻な事態であった。

 共同通信社の調べで、駆け付けた救急車が現場に足止めとなった時間の最長は、さいたま市の10時間10分と分かった。ほかにも横浜市の4時間23分、大阪市の3時間47分など首都圏や関西で長時間を要したケースがあった。

 中には、搬送の遅れによって命を落とした人もいる。悲劇を繰り返さないためには、感染者数が減少傾向にある今のうちに、医療体制を整えておきたい。

 第5波では、各都道府県が策定した緊急時の病床計画の想定を超える感染者数となり、最も多い時点で自宅療養者が約13万5千人にも上った。

 これが、入院先の見つからない人の続出した要因である。

 第6波に備えて厚生労働省は先週、感染拡大時に対応できる病床数を上積みするため、来月末までに病床計画を見直すよう、都道府県に通知した。

 病床不足を補う臨時医療施設や酸素ステーションの整備、地域の医療機関への協力要請など人材確保も求めた。

 また、自宅療養者らの症状を軽減したり、重症化を予防したりするため、治療薬を投与できるようにもするという。

 これまでのコロナ対応を省み、万策を尽くすべきだ。

 全国知事会も、第6波に備える緊急提言をまとめた。その中で、地域経済の立て直しに向けて、臨時交付金を2兆円規模で増額するよう求めている。

 これについても、政府は早急に検討してもらいたい。