アメリカにも輸出されていたキャンドルの数々。和ろうそくと異なり、キャラクターデザインや細やかな細工が施されている(南丹市美山町福居・泰山木美山)

アメリカにも輸出されていたキャンドルの数々。和ろうそくと異なり、キャラクターデザインや細やかな細工が施されている(南丹市美山町福居・泰山木美山)

美山町で行われていたキャンドルの製造風景(1971年撮影、野田さん提供)

美山町で行われていたキャンドルの製造風景(1971年撮影、野田さん提供)

石こうの型にろうを流し込み、作られていた

石こうの型にろうを流し込み、作られていた

 今から半世紀ほど前、旧美山町(現在の南丹市美山町)にあった工場で、7年間だけキャンドルが作られていた。人気キャラクターなどをかたどった製品は、本場の米国にも輸出されていた。近年、当時の製品が多く見つかり、「美山で作られていたキャンドルを多くの人に見てもらいたい」と、関係者らが16日から同町で展示会を開く。

 人気アニメのキャラクターに、兵隊やサンタクロース、天使にスノーマン。中には高さ30センチほどの大型のものもある。いずれもキャンドル製造販売会社「日本カラーキャンドル」などが手掛けたとみられる品だ。

 同社は美山出身の見舘道雄さん(1930~2012年)が1968年に創業。2年後に本社を九州に移転したが、その後も5年間、美山町で製造が続けられた。多くの製品が米企業からの受注生産で、米中西部ミズーリ州のカンザスシティーに向けて輸出されていたという。

 中には当時の値札が残るものもあり、4本のスパイスボトルの形に似せたキャンドルには6ドルの値札が付いていた。「1ドルが360円だった時代。当時にしては高い価値があったはず」。キャンドルの持ち主で、見舘さんの次女、野田君子さん(63)=京都市右京区=は話す。

 野田さんは約5年前、妹と一緒にかつて工場だった建物を探したところ、米国の人気キャラをかたどったキャンドルを15本ほど発見。一棟貸しの宿「泰山木美山」として改装した実家も片付けると、兵隊やサンタクロース、天使、スノーマンなど、装飾が凝らされたキャンドルが次々に見つかった。

 工場が稼働していた当時、野田さんはトラックでの出荷や、地元や京都市内の祭りなどでの出張販売を手伝ったこともあった。工場の女性従業員から米国では食事の際にはキャンドルに明かりをともすと聞き「アメリカが別世界のように思えた」と振り返る。

 展示会は16~24日、「泰山木美山」で開催し、これまでに見つかったキャンドルとともに、時代背景を紹介した年表を展示。出荷や米国からの視察風景を撮影した映像を上映するほか、23、24日には材料に大豆を使ったキャンドル作りの体験ワークショップも催される。他にも美山で作られたキャンドルが残っていないか、情報も募っている。