「KYOTO地球環境の殿堂」の表彰を受ける真鍋淑郎さん(2010年2月14日、京都市左京区・国立京都国際会館)

「KYOTO地球環境の殿堂」の表彰を受ける真鍋淑郎さん(2010年2月14日、京都市左京区・国立京都国際会館)

「KYOTO地球環境の殿堂」の第1回殿堂入りで、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん(右)とともに表彰を受ける真鍋淑郎さん=2010年2月14日、京都市左京区・国立京都国際会館

「KYOTO地球環境の殿堂」の第1回殿堂入りで、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん(右)とともに表彰を受ける真鍋淑郎さん=2010年2月14日、京都市左京区・国立京都国際会館

 ノーベル物理学賞の受賞が5日に決まった米プリンストン大上席研究員、真鍋淑郎さん(90)は、気候変動モデル研究の第一人者として長年にわたって世界をリードするとともに、科学者の立場から、冷静に、しかし力強く地球温暖化の危機を訴え続けた。2010年に京都市内で講演、近年の異常気象の恒常化を「予言」した上で、貧困の深刻化に警鐘を鳴らしていた。

 講演は、「KYOTO地球環境の殿堂」(事務局・京都府)の第1回殿堂入りに合わせて総合地球環境学研究所(京都市北区)が開いた。

 真鍋さんは、自身が開発し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が採用している気候変動モデルによる予測を紹介。地球温暖化によって多雨の地域はさらに降水量が増える一方、乾燥地帯で干ばつが多発し、食糧問題が深刻化すると指摘した。資本の論理がさらに優先され、「金持ちはさらに金持ちになり、貧乏人はさらに貧乏になる」とした。

 日本における豪雨と洪水のリスク増加も指摘していた。

 真鍋さんは、モデルや予測には不確実性があることを踏まえた上で、「地球温暖化には議論の余地がない」と「地球温暖化懐疑論・否定論」を切り捨てるとともに、政策決定につながる研究を進める必要性を訴え、気候変動防止に向けた政治や社会の取り組みの強化を求めていた。