本橋会長(左から3人目)のジムで練習に励む、マテイ・クマンさん(右端)、スレイ・バウさん(右から3人目)、スレイ・クイさん(中央)=京都市山科区・本橋プロボクシングジム

本橋会長(左から3人目)のジムで練習に励む、マテイ・クマンさん(右端)、スレイ・バウさん(右から3人目)、スレイ・クイさん(中央)=京都市山科区・本橋プロボクシングジム

日本人選手とスパーリングを行うスレイ・クイさん

日本人選手とスパーリングを行うスレイ・クイさん

 カンボジアのボクシングを強化しようと、京都市山科区のボクシングジムが同国代表の男女3選手を受け入れて指導している。今月下旬まで約2カ月半滞在し、基礎から実戦形式まで練習の日々だ。言葉の壁に苦労しながらも、強くなるために懸命な姿はジムに活気をもたらしている。

 カンボジアは1970年代のポル・ポト政権時代の影響もあり、スポーツの基盤がぜい弱という。一方、2023年に同国で初開催される「東南アジア競技大会(シーゲーム)」に向け、ボクシングにも力を入れ始めた。
 そんな中、山科区でボクシングジムを営む会長の本橋行治さん(59)は、現地でも仕事をしてきた縁で、同国の五輪委員会と競技強化の協定を今春に締結。男子のマテイ・クマンさん(25)、女子のスレイ・クイさん(24)とスレイ・バウさん(24)にコーチを加えた4人を預かり、指導に当たることになった。
 3選手はこれまで主にムエタイに打ち込んできた。本橋さんは「直線的な動きのムエタイと違い、ボクシングは円の動きが欠かせない」。まず基礎を徹底して教え、最近は試合を意識してスパーリングも毎日のように行っている。
 3選手は英語が話せず、やりとりは日本語とクメール語の翻訳アプリが頼りだ。ともにプロボクサーで、本橋さんの長男遼太郎さん(23)と次男大我さん(20)も片言のクメール語やジェスチャーも交えて指導に携わる。
 ジムで寝食する3選手は生活面で困ったことはないといい、「みんな優しく、ここでトレーニングできて感謝している」。休日には本橋さんらと金閣寺や大阪城に観光に出掛けたり、バーベキューを楽しんだりしている。
 まずは、今年はフィリピンで開かれるシーゲームでの3選手の活躍を、本橋さんは期待している。マテイさんは「ここで得た技術と経験を生かし、メダルを取りたい」と意気込む。