電気自動車に搭載する電池や燃料電池の性能を評価する試験室「セル0」(大津市、ホリバ・ビワコ・イーハーバー)

電気自動車に搭載する電池や燃料電池の性能を評価する試験室「セル0」(大津市、ホリバ・ビワコ・イーハーバー)

 堀場製作所は6日、自動車計測事業の開発・生産拠点「ホリバ・ビワコ・イーハーバー」(大津市)で今秋から稼働を始めた新たな評価試験室「CELL(セル)0」を報道陣に公開した。世界中で開発が進む電気自動車(EV)向け電池や燃料電池を解析し、性能向上につなげる。

 同拠点は2016年に完成した堀場製の基幹工場。主力の排ガス測定装置やエンジンを評価する最新設備を整え、大手自動車、部品メーカーの製品開発サポートのほか、堀場製が手掛ける計測装置のショールームの役割を担っている。
 セル0は、自動車開発の試験を行うラボ内のセル1~3の隣に整備した。延べ約330平方メートルで、投資額は約13億円。昨年9月に買収した独メーカー、フューエルコンの燃料電池評価装置や充放電装置を導入し、温度や湿度、震度などの環境を変えながら電池の解析データを収集できる。
 今後は隣接する他の試験室と連動させる計画で、電池の単体評価にとどまらず、車両に搭載した仮想環境での解析も容易になる。特に燃料電池の高精度な解析装置は少なく、すでに国内約50社から活用の引き合いがあるという。中国にも20年中をめどに同様の評価施設を整える方針だ。
 自動車各社がEVの開発・生産に軸足を移す中、堀場製も近年のM&A(企業の合併・買収)で自動車計測の事業領域を拡大。15年には本格的な自動車開発設備を持つ英マイラを傘下に収め、フューエルコン買収でEVの基幹部品である電池解析ビジネスの足掛かりも築いた。
 自動車関連ビジネスについて、担当の木下明生執行役員は「微小な素材の解析から、エネルギーシステム全体の評価までをカバーできるようになり、自社グループで幅広い分析・計測サービスが提供できる」と述べた。