【資料写真】越直美・前大津市長

【資料写真】越直美・前大津市長

 大津市の女性職員が2013年に右翼関係者を伴い、市に人事異動の希望を通すよう不当に要求したとされる問題で、違法に関連公文書の開示を拒まれたなどとして、市の男性職員が市に損害賠償を求めた訴訟の弁論が7日、大津地裁(堀部亮一裁判長)であった。当時市長だった越直美氏が証人として出廷し、市が市長室に保管していた公文書のコピーについて「見た記憶も認識もない」と述べた。

 訴状によると、女性職員は13年3月、男性職員からセクハラを受けたとして、市に自らの異動を不当に要求したほか、男性職員の懲戒免職処分を迫った。男性職員は、強制わいせつ罪で起訴されたが無罪判決が確定し、同年11月以降、不当要求を巡る関連公文書の開示を市に求めたが非公開決定を受け続け、市が請求内容を十分検討せずに故意に公開をしなかったのは市条例に違反するなどとしている。

 原告側は、一連の決定は越氏の指示によるものだとして証人尋問を申請していた。

 越氏は証人尋問で、男性職員から「不当要求に関する文書は無罪の証拠になるもので、人事課が残していたと知っていたが、突然開示できないと連絡を受けた。越氏が指示したのか」と問われ、「そのような指示は全くしていない」と答えた。

 越氏は、17年5月に、市長室に保管され、不要となった市長用のファイルの処分を秘書課職員に指示したことは認めたが、その中にセクハラの申告に関する文書のコピーが含まれていたことは「覚えていない」と述べた。「不祥事を隠蔽(いんぺい)する目的だったのではないか」とする原告側の主張に対しては、「事実無根で大変遺憾だ」と否定した。

 原告代理人から「人事課に残されていたコピーも17年6月にはなくなっている。廃棄するよう指示したのではないか」とただされると、越氏は「そのようなことはしていない」と答えた。訴訟は12月14日に結審する見通し。