京都大学

京都大学

 京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の元教授が発表した複数の論文で、データ捏造(ねつぞう)の疑いのあることが7日、関係者への取材で分かった。実験に必要な大学の倫理委員会の審査などを受けていないにもかかわらず、手続きを踏んだと説明する記載もあったという。元教授は「審査手続きに足りない部分はあったかもしれないが、実験データは京大にあるはず。(京大の)調査に疑念がある」などと反論している。


 京大は近く研究不正を認定したとする調査結果を公表する。論文の一つは元教授が霊長研に所属していた2019年11月に発表。大麻の合法的成分の効果について約40人を対象に調べた、という内容が記載されていた。


 関係者によると、論文発表時に、研究過程を疑問視する情報が寄せられたため、大学側が調査を開始。論文には、京大の倫理委員会の審査を受けたと記載されていたが、調査により、そうした事実は確認できなかった。さらに論文の基となった実験データを元教授に求めたが提出はなかった。そのため京大は、ほかの複数の論文も含めデータ捏造などの不正があったと考えざるを得ないと判断しているという。


 元教授は20年3月に定年退職している。京都新聞社の取材に対し元教授は「(大麻の合法的成分を使った)研究に関する詳細な内容は倫理委員会に申請していなかった。一方で実験データの一部は京大に提出し、ほかは退職時に京大に置いてきた。調査結果について私は知らされておらず、調査の在り方は疑問だ」と話している。