他人との接触を避けながら移動や宿泊できるのが魅力のキャンピングカー。最近はレンタルで利用する人も増えている(滋賀県高島市・白浜荘オートキャンプ場)

他人との接触を避けながら移動や宿泊できるのが魅力のキャンピングカー。最近はレンタルで利用する人も増えている(滋賀県高島市・白浜荘オートキャンプ場)

 新型コロナウイルスの影響でキャンピングカーへの注目が高まっている。行動が制限される中、他人との接触を避けながら移動や宿泊できる利便性が好評だ。アウトドア初心者にも裾野が広がり、滋賀県内でもレンタカー業者が急増。ブームは続くのだろうか。

 コロナ禍で観光やレジャー関連は軒並み大きな打撃を受けたが、キャンピングカー市場は変わらず活況を呈している。一般社団法人日本RV協会が6月に発行した「キャンピングカー白書2021」によると、昨年の保有台数は約12万7400台でコロナ前の前年比106・7%増。販売総額も約582億円と右肩上がりだ。

 呼応するようにレンタル事業者も伸長し、店舗数や車両台数が増加。高額かつ普段使いしにくいため購入には至らない消費者がキャンピングカーに気軽に接する機会が増えた。「非日常な空間で家族の時間を取れ、とても快適に過ごせた」。

 滋賀県守山市の美容師の男性(28)は9月中旬、家族6人で初めて利用した。コロナ流行以降、アウトドア用品をそろえだしたが、テントの設営や撤収は「面倒くさいと感じていた」。インターネットでレンタルキャンピングカーの存在を知り、1泊2日で借りることに。湖南や湖東エリアをぐるぐる回り、竜王町の道の駅で車中泊。寝苦しさはなく、虫嫌いの妻や子どもたちも喜んでいたといい「また借りて今度は琵琶湖を見られる場所に行きたい」と話す。

 空前のキャンピングカーブーム。18年に滋賀県内で先駆けてレンタル事業を始めた長浜市の店主(42)は「新規のお客さんが増え、行き先は県内がほとんどだった」と利用状況の変化を説明する。都道府県をまたぐ移動の自粛が呼び掛けられる中「思い出づくりに」と旅館やホテルに泊まるより安く済ませられ、感染リスクの少ないレンタルキャンピングカーのニーズが高まった。店には貸し出せる車両が6台あるが、夏休みは平日を含め予約でほぼ埋まったという。コロナ前は県内に2事業者しかなかったが、他業種からの新規参入が相次ぎ現在は7事業者ほどに増えた。

 ただ「昔から大手が参入してこなかったニッチ(隙間的)な事業で、継続していくことは簡単ではない」という。普通車に比べ装備品が多く車両も大きいため、故障リスクや接触事故のリスクが高く、ノウハウがないと安定的に稼働できず廃業してしまう業者も多い。海外のように車中泊をしやすい環境がまだ十分に整っていないというハード面の課題もある。とはいえ、コロナ禍で生活様式を見直すきっかけはつくられた。「一過性のブームで終わらず、キャンピングカーの文化が根付いてほしい」と、店主は願う。