移住に向け家の中を改装する男性(京都府福知山市夜久野町平野)

移住に向け家の中を改装する男性(京都府福知山市夜久野町平野)

 京都府福知山市が農山村地域への定住促進を図るため設けた「市農山村地域空き家情報バンク」が制度開始から10年を迎えた。バンクを利用した移住者は累計で163人を数える。一方、貸し出しや売却を希望する空き家の登録件数は全体の8%にとどまる。市は「府の移住促進特別区域を広げるなどして移住者を増やしたい」としている。
 同制度は市内の過疎化や高齢化への対策として2009年に始まった。売却や貸し出しを希望する空き家の所有者と、農業や田舎暮らしに関心を持つ利用希望者が登録。市は希望者の条件に応じて情報提供や内覧の仲介を行い、当事者同士で交渉、契約する仕組み。
 市によると、年間契約成立数は、10~15年度は3~7件だったが、18年度には20件に増加。累計で68件、163人(今年3月末現在)に上る。制度を利用して同市夜久野町平野の空き家を購入した京都市の男性(43)は、来春の移住を目指して家の中を改装中。「林業など取り組みたいことがたくさんあってワクワクしている」と笑顔で話す。
 市によると、農山村地域の空き家は760件あるが、バンクへの登録は57件(今年9月末現在)にとどまる。「制度を知らない人や登録に抵抗がある所有者がまだ多い」(市まちづくり推進課)。一方、空き家の利用希望者は186人(同3月末現在)が登録中。条件に合う物件が見つからなかったり、家の改修が必要で利用者が敬遠するケースがみられるという。
 市は、空き家などの取得や改修で経済的支援を受けることができる府の特別区域を広げる方針。情報発信を強化しようと、18年度から市役所や各支所に登録を呼び掛けるリーフレットを配布した。市まちづくり推進課は「空き家が増えると地域の活気が失われる。地域の人の協力も得て移住者増加へ向けて取り組みたい」としている。