中学2年だった男子生徒がいじめを苦に自殺して10年となり、黙祷する島崎教育長(左端)ら=11日午前8時35分、大津市御陵町・大津市役所

中学2年だった男子生徒がいじめを苦に自殺して10年となり、黙祷する島崎教育長(左端)ら=11日午前8時35分、大津市御陵町・大津市役所

 大津市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が2011年、同級生らからのいじめを苦に自殺した事件から11日で10年となった。市の教育長らが黙とうをささげ、中学校では「命を思う集い」が開かれ、いじめ根絶に向けて誓いを新たにした。

 午前8時半過ぎ、市役所の教育委員会のフロアで、喪服姿の島崎輝久教育長と教育委員2人、職員約50人が約1分間黙とう。これに先立ち、島崎教育長は「大津の教育に携わる全ての者が胸に刻み忘れてはいけない日」と強調。事件を機に「いじめ防止対策推進法」が13年に制定されており、「ご遺族の『子どもは法律に(生まれ)変わった』という言葉の重みを決して忘れず、一人一人の子どもの笑顔が輝く教育を推進したい」と述べた。

 佐藤健司市長も市長室で黙とう。「尊い命が失われる悲しく痛ましい事件を繰り返さないとの思いの下、子どもたちが抱える課題の解決に向け、全力で取り組む」との談話を出した。

 市は10月と6月をいじめ防止条例などの周知月間とし、男子生徒が通っていた中学校は12年から毎年の命日に、命を思う集いを開いている。この日は新型コロナウイルス対策で集会はせず、各学年の代表生徒6人が、少年犯罪被害や障害者の尊厳などをテーマに、命の尊さについて考えたことを校内放送で読み上げた。

 市は事件後、市長部局に「いじめ対策推進室」を設置したほか、いじめ対策に専門的に取り組む教員を各小中学校に配置したり、AIでいじめの深刻化リスクを判定するシステムを導入したりするなど対策を進めている。