中国で量産を始める日本電産の電気自動車向けのトラクションモーターシステム(滋賀県愛荘町・日本電産滋賀技術開発センター)

中国で量産を始める日本電産の電気自動車向けのトラクションモーターシステム(滋賀県愛荘町・日本電産滋賀技術開発センター)

 日本電産は12日、電気自動車(EV)の駆動を担う中核部品のトラクションモーターシステムを15日から中国で量産すると発表し、滋賀技術開発センター(滋賀県愛荘町)で製品を披露した。自動車メーカーが次々にEV生産を拡大する中、同モーターの引き合いは旺盛で、中国や欧州で生産増強に踏み切る。

 量産するのは、モーターとインバーター(電力変換器)、ギアを一体化した基幹システム。車載部門の中長期の業績をけん引する最有力製品として位置付ける。出力は最大150キロワット。小型で重さは87キロと軽く、部品のほとんどを内製化してコストも抑えた。

 中国・浙江省に完成した新工場で生産する。既に広州汽車グループのセダン型EVに搭載されるなど採用が広がっており、2019年度は10万台の受注を予想。旺盛な需要を受け、来年には現地で新たな工場棟を稼働させ、21年にはポーランドの工場でも量産を始めるなど中国と欧州で生産体制を整える。

 小型EV向けに、出力100キロワットタイプを20年中に、70キロワットタイプを21年中にそれぞれ新たに投入する計画で、幅広い製品をそろえてシェア拡大を目指す。

 日本電産は駆動モーターのほかに、運転操作に関わる電動パワーステアリング用モーターや次世代ブレーキシステム用部品も開発生産する。25年をめどにモーターや電池、ブレーキなど各種システムを組み込んだ車台をEVメーカーに提供するプラットフォームビジネスに本格参入する構想もあり、早舩一弥専務執行役員は「中国の新興EVメーカーなどに売り込み、1兆円規模の事業に育てたい」と述べた。

 この日は車体の前後4カ所に設けたレーダーが周囲の障害物を検知し、停車中の車両にぶつからないように自動駐車するデモンストレーションも披露された。