ユーチューブ動画の撮影に臨む立候補予定者(右)。「○」「×」のボードを作り、カメラ奥の若者と対話する形式にするなど、分かりやすい工夫を凝らす(京都市内)

ユーチューブ動画の撮影に臨む立候補予定者(右)。「○」「×」のボードを作り、カメラ奥の若者と対話する形式にするなど、分かりやすい工夫を凝らす(京都市内)

 インターネットを使った選挙運動の解禁から8年。新型コロナウイルス流行の影響もあり、次期衆院選(19日公示、31日投開票)の京都府内の立候補予定者は会員制交流サイト(SNS)やネット動画の発信に一層、力を込めている。オンラインツールが日進月歩で進化し、効果的な活用方法や公選法との兼ね合いに頭を悩ませる中、ネット戦略に「力の差」も垣間見える。

 あるベテラン現職の事務所は今春、専門チームを設置した。約10人態勢で、動画撮影やSNSの発信などを担う。2013年の解禁時から取り組んできたノウハウを生かし、若者や子育て世代に影響力があるツイッターと動画を重視する。

 30代の「つぶやき」専任担当者がツイッターで、1万人以上というフォロワーによる拡散を狙う。動画投稿サイト「ユーチューブ」の議員個人チャンネルでは、実績や党を超えた人脈のアピールに加え、若者向けに1分程度の動画で政策を訴える予定だ。

 演説会のネット配信も検討している。責任者は「コロナ対策で演説会場に人を集められないので、今回の選挙はネット中心といっても過言でない。特に若い世代の集票は、ネットの露出度が鍵」と意気込む。

 一方、ある新人の事務所は手探り状態だ。今夏の出馬表明直後にホームページを立ち上げ、ツイッターやユーチューブチャンネルなどを相次いで開設した。立候補予定者本人は、SNSの効果的な使い方に詳しくなく、オンラインツールを使い慣れた現役大学生1人を参謀に加えた。ただ、本人と大学生の2人だけで情報発信や更新するには限界があるという。組織力を生かしたネット戦略を展開する他陣営に対し、「格差を感じる」と漏らす。

 京都府選挙管理委員会によると、各陣営は動画配信時のルールや、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」など近年登場したツールを活用する際の公選法との兼ね合いに関心を寄せている。府選管は「投開票日はネット配信や更新ができない。18歳未満は全てのネット選挙活動が禁止されている」と注意を呼び掛けている。

 京都、滋賀の両府県警の集計では、ネット選挙解禁以降に行われた5回の国政選挙で、公選法に基づくネット関連の警告は京都1件、滋賀6件。候補者以外の人物による電子メール送付や、SNSでの事前運動などがあったという。