京都大学

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 無数の小さな穴があり物質を自由に取り込める「多孔性金属錯体(PCP)」を二酸化炭素(CO2)を用いて作ることができたと、京都大などのグループが12日発表した。これまでもPCPの穴にはCO2を吸着させることができたが、今回の手法ではPCPを構成する分子そのものにCO2を活用した。脱炭素化につながる成果という。米化学会誌にこのほど掲載された。

 地球温暖化の原因となるCO2を有用な物質や材料に替える技術開発が期待されているが、多くのエネルギーが必要なため実用化には至っていない。京大物質―細胞統合システム拠点(アイセムス)の北川進・特別教授が開発したPCPでは、CO2をはじめさまざまな気体を吸着できるが、PCPそのものをCO2から作ることは難しかった。

 アイセムスの堀毛悟史准教授らは今回、「ピペラジン」と呼ばれる有機分子に着目。亜鉛イオンとこのピペラジンを含んだ溶液中にCO2を吹き込み、分子にCO2を含んだPCPを作ることに成功した。この手法では室温、1気圧という低エネルギーな条件下で、約9リットルのCO2から50グラムのPCPを合成できた。さらに、PCPの穴にCO2を吸着させることで、全体として従来の2倍以上のCO2を回収できたという。

 堀毛准教授は「空気中に含まれる低濃度のCO2でも安定的に回収することが可能だ。今後は、回収したCO2を有用な物質に変換する方法を確立したい」と話している。