航空自衛隊三沢基地の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが、青森県沖の太平洋に墜落した。

 次期主力戦闘機とされ、事故は世界で初めてである。何があったのか、防衛省は原因を徹底究明してもらいたい。国民への丁寧な説明も求めたい。

 今月9日夜、基地の東約135キロの上空で他の3機と対戦闘機を想定した訓練中に消息を絶った。操縦士は墜落直前、訓練中止を無線で伝えていた。機体に何らかの異変が起きたことに気づいていたのではないか。

 当該機は2017年と18年の過去2回、飛行中に不具合が生じ、緊急着陸していた。部品交換後は異常が確認されなかったというが、看過できない。事故との関連を詳しく調べる必要がある。

 基地の地元住民からは「市街地に落ちたら」との不安の声も上がる。防衛省は同型機の飛行を当面見合わせる。原因が特定されるまでは当然のことだろう。

 F35Aは敵のレーダーで捉えにくいステルス性に優れ、「第5世代機」と呼ばれる。米ロッキード・マーチン製で米・英など9カ国が共同開発した。日本では老朽化したF4戦闘機の後継機として三沢基地に導入。3月に飛行隊が発足し、13機配備されていた。

 原因究明の鍵を握るのはフライトレコーダー(飛行記録装置)だが、回収のめどは立っていない。米軍が異例の態勢で捜索を支援しているのは機密情報に神経をとがらせているからだとされる。

 事故調査が米国主導にならないか気がかりだ。開発に参加しなかった日本側に軍事機密が開示されず、原因究明が難航する可能性もある。日米両国は連携を密にして調査を進めなければならない。

 政府は昨年12月に閣議決定した防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画でF35Aを105機、短距離離陸・垂直着陸が可能なF35Bを42機導入し、計147機態勢にする方針を決めている。

 岩屋毅防衛相は予定通り配備を進める考えを示したが、原因究明が先決だ。機体に欠陥があれば大量調達計画に影響が出かねない。

 そもそも計画にはトランプ米大統領が求める米国製装備品の購入拡大に応える安倍晋三首相の狙いがあったとみられている。

 F35は米国が提示する金額や納期を日本が受け入れる対外有償軍事援助(FMS)でしか購入できず、1機当たりの取得価格は100億円超と高額だ。事故を踏まえ、今後の調達について国会で改めて議論する必要がある。