ヤン・バルルートさんが来た店には、「おとグルが来た」ステッカーを貼っている

ヤン・バルルートさんが来た店には、「おとグルが来た」ステッカーを貼っている

 京都府乙訓地域の飲食店かいわいで、うわさになっている人物がいる。写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウント「おとくにグルメ研究所」。訪れた店の写真や食べた感想、メニューの紹介文を投稿し、正体は明かさず神出鬼没。投稿者の男性は「新型コロナウイルス禍の飲食店に『店を開けてくれてありがとう』という気持ちと、エールを送りたい」と思いを語る。

 「おとくにグルメ研究所」を開設したのは長岡京市内の40代の男性で、約8年前に同市に移住した。投稿ではスイーツなど甘味担当で、女性の設定で紹介する「ヤンさん」と、ランチやディナー、居酒屋担当の「バルルートさん」の2役を使い分ける。乙訓2市1町の飲食店を中心に約4年間で150店ほど訪れ、投稿は500件を超える。インスタのフォロワー数約770人を集め、訪れた店で「インスタ見たよ」と声を掛けられることもあり、手応えを感じるという。「投稿で嫌な思いをさせないために」と、写真撮影や投稿する際は必ず店に承諾をとっている。

 今月から、訪れた飲食店にオリジナルステッカーを手渡している。「店先に貼ってもらえればうれしい。『おとグルが来たらしいで』と、まちの人たちに面白がってもらえれば」とほほ笑む。

 コロナ禍の1年半、食べ歩きをしながら乙訓の飲食店を見守り続けてきた。苦境の中、テークアウトを始めた店やランチ営業に切り替えた店など、営業形態を変えながらも、店を守り続ける店主たちを見て、「食べることやSNSで配信することが、何かしらの応援になれば」と、投稿にはあたたかな言葉をつづる。「いつか『おとグルミシュラン』を作ってみたい」といたずらっぽく笑う。