島津製作所が昭和初めごろ制作したとみられる人体模型(南丹市八木町・旧吉富小)

島津製作所が昭和初めごろ制作したとみられる人体模型(南丹市八木町・旧吉富小)

 京都府南丹市八木町の旧吉富小にある教材用の人体模型が、地域住民や専門家らの関心を呼んでいる。島津製作所が昭和初めごろに制作した模型のうち、保存状態が良好な数少ない貴重資料として、3月まで東京都の国立科学博物館で開かれた「日本を変えた千の技術博」(同館など主催)にも出品された。

 旧吉富小は1873(明治6)年に「明遠小」として開校、児童数の減少で2015年3月に閉校した。

 人体模型は高さ約1メートルの紙製で、ガラスケースの中で保存されている。人体の科学的な知識を知ってもらうため、体の左半分の血管を彩色して細かく描かれ、心臓や肺などの部位を取り外すことができる。臓器などの名前も記されている。

 島津製作所創業記念資料館(京都市中京区)によると、1934年に作られた商品カタログに同種のものが掲載されているという。同館は「昭和初期に作られた可能性が高い。表面に特殊な塗料が塗られ、防水や色落ちしない加工が施されている。残っているのは大変貴重」としている。

 千の技術博は明治150年を記念して催された。人体模型は科学教育の始まりを説明するために使われ、多くの来館者が見学した。旧吉富小の「吉富ノ庄運営委員会」の廣瀬稔会長(75)は「精密に人体が再現されており、地元の宝として大切に活用していきたい」と話した。