重い障害がある木村英子参院議員(れいわ新選組)が、参院国土交通委員会で初の質疑に臨んだ。

 介助者や秘書の補助を受けながら、政府に質問を投げかけた。

 車いすと介助者が必要な議員が質疑するのは憲政史上初という。

 障害がある当事者が国会議員として政府の姿勢をただす意味は大きい。国の障害者施策の前進へ、活発な論議につなげてほしい。

 7月の参院選で木村氏と、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦氏が当選し、国会のバリアフリー化は徐々に進んでいる。

 車いすのまま着席できるよう本会議場が改修されたほか、障害福祉サービスの重度訪問介護を利用する両氏の議員活動中の介助費を参院が負担することが決まった。

 議員活動を補佐する介助者を伴うことや、パソコンなどの音声機器を通じた発言、代理者による代読も認められた。

 前例や慣習を重んじる国会としては、異例のスピードで改善が進む。だが、その速さは、国会が障害者の存在を念頭に置いてこなかったことの裏返しともいえる。

 障害者への不当な差別的扱いを禁じた障害者差別解消法が施行されて3年半になる。同法では、公的機関に障害者への「合理的配慮」が義務づけられた。

 両氏に対する介助費負担は、その「配慮」によるものといえる。

 しかし、一般の障害者が重度訪問介護を就業・就学中に使うことは制度の対象外となっており、生きづらい状況は変わっていない。

 国会議員だから「配慮」されたというのでなく、障害者全体の問題として制度改善につながる議論の契機にしてほしい。

 国会では、差別解消法の施行直後に、衆院厚生労働委員会で当事者としての意見を求められたALS患者が「会話に時間がかかる」として出席を一時拒否され、国会の無理解さが批判を浴びた。

 同じALS患者の舩後氏が、近く参院文教科学委員会で初質疑に臨む。文字盤を使い、介助者が言葉を読み取るため、やりとりに時間がかかる。この時間を質問時間に含めるかどうかは委員長が判断するというが、質問者の権利を侵さないような配慮が必要だ。

 障害がある議員の活動をどう保証していくかは、障害者に向き合う国会の姿勢を示す。

 国会での対応が整っていけば、その影響は地方議会などにも広がっていくと期待できる。障害者の政治参画にも大きく道を開くことになろう。