水菜、菊菜、しろ菜、壬生菜、畑菜…。この時季、京都の食卓にお菜っ葉の姿を見ない日はないほどで、「京都人はかしわ(鶏肉)食い」って言うけれど、それに加えて「お菜っ葉食い」なのではないでしょうか。

 おススメの調理法は煮浸しです。だしにしょうゆと日本酒をポトリ。そこにさっと泳がすように野菜をくぐらせ、色がポッと濃くなった頃、火を止めてお箸で引き上げてみれば、生き生きとしているのがよくわかります。煮浸しの良さは冷めた後もだしとよくなじんで時間がたつからこそのおいしさになること。今ならユズの皮を浮かせてもよし、七味を振るのもなかなか。冷やしてサラダ感覚に。熱々なら汁物の代わりにもなります。

 買ってきた野菜を冷蔵庫にそのままズドン! と収めるのではなく、お台所に向かって食材がおいしさのピークのうちに活(い)かしてあげる。煮浸しは家族にもお野菜にも優しいお料理なのです。

◆小平泰子 こひら・やすこ 1977年京都市生まれ。旬の食材を使い、和食にとらわれず、食材の組み合わせの面白さを提案したレシピを考案。中京区烏丸三条と東京・日本橋で料理教室を開く。近著に「季節の野菜と果物でかんたんおつまみ」がある。インスタグラムはyasukokohiragokan