フルーツのビスキュイロール

<写真に撮りたいスイーツレシピ 「オルディネール」主宰 佐藤綾>

 フランス菓子の基本ともいえ、16世紀には作られていたというビスキュイのお菓子をご紹介します。
 正式にはBiscuit(ビスキュイ) a(ア) la(ラ) cuillere(キュイエール)。「cuillere」はスプーンを指し、絞り出し袋がなかった時代はスプーンで形作っていたそうです。
 油脂が入らず軽い生地にたっぷりとシロップを打ち、シャンティクリームと甘酸っぱいフルーツを巻き込んだ飽きの来ない組み合わせ。シート状に薄く絞って焼くので型も要らず短時間でできます。
 ショートケーキにアレンジするには生地を32センチ×22センチに焼き、3本の帯状にカットしてクリームやフルーツを重ねます。4辺は温めた波刃包丁できれいにカットして、上にはクリームやイチゴを飾って仕上げましょう。1年間ご愛読いただき、本当にありがとうございました。

【材料】長さ27センチ1本分

▽ビスキュイ生地=卵白 3個、砂糖 90グラム、卵黄 3個、薄力粉 90グラム、粉砂糖 適量
▽シャンティクリーム =生クリーム 180グラム、砂糖 18グラム
▽シロップ=水 30グラム、砂糖 10グラム、キルシュ 小さじ1
▽フルーツ=キウイ 1/2個、イチゴ 5個、オレンジ 1個

【作り方】

(1)オーブンを220度に予熱し、オーブンシートの裏に27センチ四方の印をつけて天板に敷く。キウイとオレンジは皮をむき、イチゴはヘタを取って1.5センチ角にカットする。
(2)ボウルに卵白を入れて全体に泡が広がるまで泡立て、砂糖を2、3回に分け入れて角が立つまで泡立てる。
(3)卵黄を入れて泡立て器で軽く混ぜ、マーブル状になったらゴムべらに変えて薄力粉をふるい入れ、粉けがなくなるまで混ぜる。
(4)1センチ前後の丸口金をつけた絞り出し袋に入れてオーブンシートの印の中に斜め45度に生地を絞り、粉砂糖を茶こしで全体に2回ふるっておく。
(5)200度のオーブンで8~10分、表面が軽いきつね色になるまで焼く。オーブンシートを外し、裏返して新しいシートに置いておく。
(6)ボウルに生クリームと砂糖を入れて角が立つまで泡立てる。
(7)焼き上がった生地の奥2センチくらいを斜め45度に切り落とし、全体にシロップをはけで塗る。
(8)シャンティクリームを手前に少し厚めに塗り広げ、汁けを拭いたフルーツを手前すぐと奥から10センチぐらいの2カ所に置いて巻く。

【ポイント】

 この写真はロールケーキを断面がちらほら見えるように並べた対角線構図。ロールケーキの最大の魅力であるカット面が引き立つよう寄りで撮影しています。また、ビスキュイの焼き面の表情が見えるようレフ版は使わず、自然な陰影にしました。
 連載では誰でも参考にしていただけるような私のお菓子撮影術をお伝えしてきました。でも一番の近道は「素敵(すてき)だな!」と思う写真をまねて、何度も撮ることだと思います。

◆佐藤綾 さとう・あや 英国留学やドイツ系IT企業勤務を経て、かねて興味を持っていた製菓の専門学校で学ぶ。2007年から京都市でお菓子教室「Ordinaire」を主宰。インスタグラムはORDINAIRE_AYA