衆院選京都2区の候補者の公約と横顔を届け出順に紹介する。(敬称略)

■京都2区
繁本  護 48 財務政務官  自前(1)
前原 誠司 59 党代表代行  国前(9)
地坂 拓晃 48 党府委書記長 共新
中  辰哉 45 マジシャン  れ新

繁本護(しげもと・まもる)(48)自民前

繁本護氏

■コロナ収束へ道筋示す

 衆院の厚生労働委員会に所属していた経験を生かし、新型コロナウイルスの収束やアフターコロナの社会像をどう描いていくかを訴える。そのため、一時供給不足となったワクチンを国内で開発できる態勢づくりを進める。また感染症法上の分類についてもリスク評価の上で、適切な類型に当てはめたい。治療薬開発と重症化予防にも力を入れ、諸外国のような社会経済活動を取り戻していく。

 コロナ対応に当たる中で分かったことがある。医療現場を支えているマスクや防護服などの多くを海外に頼っていることだ。医療安全保障という観点から依存度を改善したい。

 北海道で国会議員の秘書だった時、医療機関がなく、生まれ育った場所で出産したくてもできない地域があることを知った。少子化はこの国が抱える静かなる危機だ。自分なりのテーマとして1期目、育児をサポートする産後ケア法に取り組んだ。母親が1人目の子育てに自信や達成感を得られたら「2人目も」となり、少子化対策につながる。

<横顔>

 前回衆院選は比例復活で初当選を果たした。以来4年間、災害復旧やコロナ対応に奔走して休まず働いてきた。年に1日だけ議員活動の予定を入れないのは、両親の墓参りのためという。兵庫県出身で神戸大大学院を修了後、1997年に運輸省(現国土交通省)に入省した。北海道開発局時代に伊東良孝元農林水産副大臣に出会い、政策秘書として約6年半仕えた。2017年、自民府連の公募に応じ、京都2区の候補者に選ばれた。趣味は国交省時代に始めた居合道で「武道を通じて内面を鍛え上げる点が魅力」と話す。

前原誠司(まえはら・せいじ)(59)国民前

前原誠司氏

■教育無償化で学び保障

 日本は平成の30年間で国際競争力の面で衰退をたどった。なぜか。十分な予算を教育費に配分しなかったからだ。そこで0~18歳の教育無償化を実現したい。国の支出で私立大などの授業料も国公立大並みに下がるよう支援し、給付型の奨学金も拡充する。社会人が学び直す「リカレント教育」を国がサポートする仕組みも整えたい。

 実現できれば副産物が出てくる。少子化対策と格差の是正だ。教育にお金がかからなくなれば、出生率の向上や進学を諦めていた子どもの学びを保障できる。

 ライフワークである「自分の国は自分で守る」ことにも注力する。防衛だけでなくエネルギーと食料もだ。気候変動や紛争で国内に資源が入らない事態も想定される。他国への依存を弱め、独自性を高めたい。

 「桜を見る会」の問題では、安倍晋三元首相による国会での虚偽答弁が露呈した。こうした政治を変える。「非自民非共産」を貫き、中道右派の勢力をもう一度結集して自民党政治に風穴を空けたい。

<横顔>

 今回、衆院議員10期目を目指す。京都府議1期目だった1993年、日本新党から衆院旧京都1区で初当選した。98年、民主党結党に参加。早くから将来を期待され、2009~12年の与党時代は国土交通相や外相と重要ポストを歴任した。民進党、希望の党、国民民主党と所属する党名は変わっても自身が「ミスター民主党」との思いは変わらない。鉄道好きは政界でも有名。週末には地域住民とのソフトボールに汗を流しているといい「ノックや打撃練習の投手にと奮闘させてもらっている」と笑顔を見せる。

地坂拓晃(ちさか・たくあき)(48)共産新

地坂拓晃氏

■地域経済支える政策を

 昨年6月から衆院選に向けて活動を始めたが、新型コロナウイルス禍の深刻化と時期が重なった。飲食店や観光関係で働く人の苦しむ声を聞くと、若い世代と非正規雇用の女性たちの中には、命の危機につながりかねない状態の人もいた。

 自公政権のままでは、こうした人たちへのまともな支援がないと実感している。命を守り、地域経済を支える政治に転換しなければならない。

 コロナ禍で立場の弱さが表面化した女性を支えていくため、党京都府委員会の中にジェンダー平等・人権委員会を作った。女性問題についても政策を打ち出していきたい。さらに地域の懸案として、開発最優先の北陸新幹線の延伸計画や府立植物園の再整備があり、反対や疑問を持つ市民がいる。党派に関係なく住民の声を聞く立場を貫く。

 安倍・菅両政権に象徴される自民党政治では、コロナ禍で東京五輪を強行したように国民の命を守れず、政権を任せられない。市民と野党の共闘で新しい政権を作りたい。

<横顔>

 党京都府委員会で書記長を務める。三役とされる幹部では唯一の40代で若手の代表格だ。京都精華大ではリトグラフ製作を専攻。卒業後は芸術家を目指しながらも「社会を良くしたい」と民青同盟でも活動した。1996年、初の小選挙区比例代表制で行われた衆院選に同世代とともに関わり、党の躍進を肌で感じて政治の道に進むようになった。米国の画家で抽象表現を代表するマーク・ロスコが好きという。多忙の中で絵を描く機会はめっきり減ったが、自宅では娘の前で趣味のギターを弾いてリラックスしている。

中辰哉(なか・たつや)(45)れいわ新

中辰哉氏

■消費税廃止で経済再建

 新型コロナウイルス禍の影響で同僚の有能なマジシャンの仕事が蒸発していく状況を目の当たりにした。積極財政が必要だと痛切に感じている。山本太郎・党代表の俳優時代に演技指導した縁があり、国の政治のあり方を変えたいと、れいわ新選組の扉をノックした。

 一部の大企業や富裕層だけが豊かになる国ではいけない。コロナ禍で生活が危機的な人々が大勢いる。党は「3カ月でコロナを封じこめ、日常を取り戻す」とする公約を打ち出している。現金給付や事業者の粗利補償のほか、PCR検査の拡大、治療薬の普及も図りたい。

 消費税の減税・廃止を必ず成し遂げたい。消費税にはマジックと同じように種がある。その種明かしをしたい。日本の長期間のデフレの原因は消費税だと考えている。消費税を減税・廃止にして経済を立て直していきたい。

 兄が17年前、摂食障害で自殺した。支えになれなかった。コロナ禍で自殺者が増えている。生きているだけで価値がある。苦しむ人を支える政治を目指す。

<横顔>

 京都市北区の出身。駒沢大に進学し、ボクシング部に在籍した。だが1年生の時、ダンプカーにはねられ、選手生命を絶たれた。入院中、母に勧められた教本を読んでマジックの魅力にのめり込んだ。東京の百貨店で実演販売員として活躍した後、さらに腕を磨いてプロマジシャンとなり、芸能人にも指導した。衆院選では「エンターテインメント業界の声も代弁したい」と意気込む。結婚相談所を営む一面も。カウンセリングを行う中では、奨学金の返済が結婚のブレーキになるなど政治的な課題を感じている。