街頭演説でそろい踏みした立候補予定者ら(15日午後5時19分、京都市下京区)

街頭演説でそろい踏みした立候補予定者ら(15日午後5時19分、京都市下京区)

野党共闘を求める市民団体代表と政策協定を交わす立候補予定者(右)=15日午前11時45分、大津市内のホテル

野党共闘を求める市民団体代表と政策協定を交わす立候補予定者(右)=15日午前11時45分、大津市内のホテル

 衆院が解散された14日午後、京都1区に立つ自民党新人の勝目康は、東京・永田町の衆院議員会館で、元衆院議長伊吹文明と向き合った。1区で自民の議席を長年守り、解散をもって引退した伊吹から「しっかりやるように」と声を掛けられると、「はい」と力を込めて答えた。その後、党本部で公認証を受け取り、京都にとんぼ帰りした。

 1区では長年、伊吹が共産党国対委員長の穀田恵二としのぎを削ってきた。過去8回全てで伊吹は穀田に得票で負けていないとはいえ、初めて候補者が替わるだけに、自民京都府連の危機感は強い。勝目は15日午後、京都市上京区の交差点で「伊吹先生の志を継ぐ」と訴えた。

 京都の自民にとって、議席継承がかかるのは1区だけではない。6区では府連が前職の安藤裕の擁立を見送り、代わりに元職の清水鴻一郎を立てる。だが、党の年齢規定で比例に重複立候補ができない。15日昼、城陽市役所前に立った清水は「敗者復活はない。自民の議席がなくなれば国とのパイプがなくなる」と議席継続の必要性を強調した。

 「ただ1人の野党の候補者として勝ち抜きます」。15日夕、穀田をはじめ、共産の立候補予定者4人が下京区の四条烏丸交差点に並んだ。1区を「必勝区」と位置付ける共産は穀田の初の小選挙区勝利を狙う一方、3区と6区に擁立しない方針を決めた。両区では実質的に立憲民主党の前職を応援する形になる。立民も1区は立てていない。

 ただ共闘と言える状況ではない。14日夕、共産関係者が「立憲民主党との共闘の実現を」と訴える宇治市のJR宇治駅前に、6区の議席奪還を目指す立民前職の山井和則が偶然姿を現した。だが、共産と距離を置く山井は街頭演説で共闘に一切触れず、「福祉の声を国会に届けられるのは山井しかいない」と実績のアピールに専念した。

 京都で党勢拡大を狙う日本維新の会は2017年の前回選より2人多い3人を立てる。1区の新人堀場幸子は14日午後、南区に構えた事務所のテレビで衆院解散を確認した後、「いよいよだ」と話し、早速街頭に向かった。

 滋賀では、野党共闘を求める市民団体の主導で反自公勢力の結集を目指す動きが加速する。

 衆院解散翌日の15日、大津市内で「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民の会しが」と県内4小選挙区に挑む立民、共産、国民の各立候補予定者が選挙戦に向け政策協定を結んだ。「幅広い市民、党支持者以外にも浸透していける」。2区の議席奪還を期す立民元職の田島一成は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 県内では前回選も野党共闘が模索された。だが2区では田島が保守色の強い希望の党に参加したため、市民の会が独自候補を擁立。反自公票が割れ、田島は比例復活もできなかった。

 今回、市民の会は1区国民、3区共産、4区立民の各新人も野党統一候補と位置付けて支援する。ただ、政党間の相互支援には温度差がある。3区の佐藤耕平は「政治の大本を変えることで合意できたのは選挙の力になる」と自民追撃を誓う。

 こうした野党連携の動きを与党側は「選挙目当ての野合だ」とけん制する。解散を5日後に控えた9日、自民、公明両青年局の合同演説会で再選を目指す4区の自民前職小寺裕雄は言葉に力を込めた。「経済に医療、困難な時にしっかりと対策を取れるのが、長年協力している自公政権の力だ」(敬称略)

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 衆院が14日解散され、与野党は4年ぶりの政治決戦に向けて走り出した。京都、滋賀の立候補予定者や政党の動きを追う。