ネット選挙運動で出来ることと禁止されていること

ネット選挙運動で出来ることと禁止されていること

 新型コロナウイルス下の衆院選(19日公示、31日投開票)は、インターネットでの情報の発信や入手が従来以上に重みを増す。8年前にネット選挙が解禁されて以降、IT技術の革新で新しいツールが次々と登場するが、公選法に抵触するポイントがそれぞれ微妙に異なり、立候補予定者や有権者は「気軽に使えない」と頭を悩ませている。

 コロナの感染増加によるテレワーク拡大で、昨年から急速に普及したウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」。離れた場所にいる参加者を同時に画面に映し、全員で会話ができ、参加定員は最大千人と多い。立候補者、有権者ともに選挙運動で使えるが、従来の動画投稿サイトとは異なる双方向型の発信機能を持つため、新しい制約がある。

 京都府選挙管理委員会によると、公選法は、ネット上で選挙運動となる発言をする参加者に、メールアドレスや電話番号など連絡先の表示を義務づけている。このため、ズームで個人演説会が開催された場合、候補者本人や応援弁士だけでなく、一般参加者が「A候補を応援します」などと発言する場合は画面上で連絡先を表示しなければならないという。

 京都府内で立候補を予定する前職の選挙事務所は、ズームを使った個人演説会の開催を視野に入れる。ただ、今も使用上のルールが複雑で使いにくい部分があるといい、「実際に活用するかは検討中」と難しさを語る。

 ズームのほか、2013年のネット選挙運動解禁時になかったツールは続々と登場している。

 スマートフォンで複数人が同時に会話できる音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」もその一つ。総務省によると、クラブハウスは選挙運動に活用できるが、ズーム同様に発言者の連絡先の表示義務があるという。一方、府選管は「クラブハウスは名前を聞いたことがあるくらいで、使用上の注意点は国に確認しないと分からない」と困惑する。

 衆院選で応援する候補者の動画を無料通話アプリ「LINE(ライン)」で拡散しようと考えている京都北区の男性(30)は「ネット選挙は、メールは駄目でラインはOKなどルールや根拠が分かりにくい。法に触れたくないので新しいSNSは手を出しづらく、選挙への関心を妨げている気がする」と漏らした。