フジバカマの花にとまり、蜜を吸うアサギマダラ(滋賀県高島市マキノ町蛭口)

フジバカマの花にとまり、蜜を吸うアサギマダラ(滋賀県高島市マキノ町蛭口)

個体識別用タグがついたチョウ(上)。8月28日には福島県にいたことが確認できた

個体識別用タグがついたチョウ(上)。8月28日には福島県にいたことが確認できた

 季節に応じて時に海を越えるほど長距離を移動することから「海を渡るチョウ」として知られるアサギマダラの群れが、滋賀県高島市マキノ町の畑に飛来している。はるばる福島県から来た個体も含まれ、湖西の地で羽を休めながら新たな渡りに備えている。

 マキノ町蛭口の赤﨑巳好さん(71)の畑で妻の房子さん(68)が生け花用にフジバカマを育て始めたところ、花が咲き始めた3年ほど前から毎秋、数匹が姿を見せるようになったという。今年は約50匹が一帯で華麗な姿を見せている。

 アサギマダラは黒地に淡い青緑色のまだら模様の羽が特徴で、羽を広げると10センチほどの大きさになる。秋以降に日本本土から南西諸島や台湾へと移動することで知られ、2千キロを超える長距離の渡りも確認されている。最近では人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の登場人物、胡蝶しのぶの髪飾りのモチーフといわれ注目を集めている。

 マキノ町に飛来した個体の中には別の場所で一度捕獲され、個体識別のマーキングが施されたチョウも見つかった。生態を調査する市民グループ「アサギマダラの会」(大阪市)によると、羽に付けられたタグから、直線距離で約440キロ離れた福島県北塩原村のスキー場で8月28日に捕獲された後に放たれ、赤﨑さんの畑に飛来したと分かった。

 赤﨑さんは舞い飛ぶチョウを見つめながら「遠い所から友だちを連れてきてくれたのかと思うと感慨深い。ええものを見せてもらいました」と笑顔を見せた。