夜間に街頭で支援を訴える候補者(10月19日、京都市山科区)

夜間に街頭で支援を訴える候補者(10月19日、京都市山科区)

人数を制限し、席の間隔を取って開催された個人演説会(10月21日午後7時23分、京都市内の小学校)

人数を制限し、席の間隔を取って開催された個人演説会(10月21日午後7時23分、京都市内の小学校)

 新型コロナウイルスの感染リスクを避け、「ハコモノ」と呼ばれる屋内での個人演説会を控える動きが京都・滋賀の衆院選の小選挙区で広がっている。街頭演説に切り替える候補が多いが、「一体感」を求めて従来通り顔と顔を合わせる演説会を望む支持者もおり、選対は頭を悩ませている。

 個人演説会は地区単位で夜に行われ、公民館や学校の体育館を使うことが多い。支持固めの効果がある。

 京都市内の選挙区の新人候補は選挙期間中、地元の小学校と500人ほど入れるホールの2カ所でしか「ハコ」を使わない予定。古参スタッフは「50年以上選挙に関わっているが、こんなに少ないのは初めて」と語る。夜の街頭演説が増えることを見越し、簡易の投光器を5台購入した。

 京都新聞社は、衆院選中の朝刊に各候補の「きょうの演説会」を掲載している。前回2017年と今回の公示日翌日を比べると、京都府内では9候補計16カ所から、6候補計8カ所に減っていた。

 19日夜、山科駅前(山科区)で仕事帰りの人に訴えを響かせた新人候補は「屋内で支援者に集まってもらうだけじゃなくて、無党派の人に振り向いてもらわないと得票も増えない」と変更を前向きに捉える。同じ選挙区の前職陣営も「街頭をきめ細かく回った方が候補者を身近に感じてもらえる。(食事宅配の)『ウーバー』じゃないが、その場にいる有権者に合った見せ方をできる」と話す。

 滋賀県内でも、密が生じやすい屋内演説会への警戒感は根強い。前職の選対スタッフは「もし感染者が出てしまったら、選挙の当落に響く」と本音を明かす。

 ただ、従来の選挙のやり方に慣れた支援者から顔を出すよう求められると、なかなか断れないのも人情のよう。京都市内のベテラン前職の関係者は「阪神の試合と一緒。甲子園で応援しないと、一体感が出ないというわけ」と苦笑いする。

 「ハコ」を公共施設ではなく、聴衆の間隔が取りやすいホテルなどの広いホールに切り替える候補者もいるが、「お金がかかるし気軽に来づらいのでは」といった声も漏れる。

 また、握手の代わりに「グータッチ」をする候補も多く「握手を求めて来る人にはやるけど、基本は『エアーグー』で、とお願いしている」(京都市内の新人候補)。今回から感染防止の白手袋を着けて選挙戦に臨んでいる候補もいる。

 21日に京都府内は飲食店の営業時間短縮要請がすべて解除されるが、支持拡大とコロナ対策の両立で、候補者の模索は当面続きそうだ。