衆院選京都5区の候補者の公約と横顔を届け出順に紹介する。(敬称略)

■京都5区
山本和嘉子 53 党府連副会長 立前(1)
山内  健 53 党地区委員長 共新
井上 一徳 59 元防衛省局長 無前(1)
本田 太郎 47 外務政務官  自前(1)

山本和嘉子(やまもと・わかこ)(53) 立民前

山本和嘉子氏

■地域のにぎわい創生を

 京都府北部を歩く中、少子高齢化の進行を強く感じる。舞鶴の造船会社の事業撤退など雇用が失われていく例も実際に起きており、農業や漁業を守る必要もある。地域のにぎわい不足を政治の力で解消したい。

 異常降雨ともいえる今の気候変動の中、災害対策にもしっかり取り組む。例えば福知山は治水に関して常に闘ってきた地域だ。近年はある程度堤防も造られ、治水計画に成果も出てきているが、見直しを続けなければならない。

 新型コロナウイルス禍で疲弊した観光地を活性化させるためには、山陰近畿自動車道の延伸などアクセスの向上も重要になる。賛否両論あると思うがしっかりとした自動車道をつくることで、日本海側が産業や物流の面でも手厚くなる。

 森友学園の問題では公文書の改ざんを余儀なくされた赤木さんの思いが詰まったファイルが出てきた。政府は問題を全く検証せず、政治に対する不信を増長させている。うそやごまかし、隠蔽(いんぺい)がない政治に変えていかなければならない。 

<横顔>

 立憲民主党の福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)の秘書を16年務める中、政治の影響力を肌で感じ取り、自らも表舞台に立つと決めた。前回選は比例北陸信越で初当選し、今回は5区で選挙区に初挑戦する。2018年から府北部で政治活動に励むかたわら、自然豊かな地での生活を満喫する。京都市左京区出身で1993年には葵祭の第38代斎王代を務めた。幼少期から書道に親しみ全国規模の公募展でも入賞を重ねる。「墨が紙にぼわんと染みこむ瞬間が何とも言えず、その感覚を常に味わいたくて続けている」と笑う。

山内健 (やまうち・けん)(53)共産新

山内健氏

■経済再生へ追加給付金

 命と暮らしを支える政治に変えることが総選挙の大きなテーマだ。京都府北部で新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにはクラスターを発生させないことが重要になる。高齢者施設や学校、保育所などでは1週間に1回検査を行う体制を導入したい。

 コロナにより府北部では観光業はもちろん、地場産業の織物や自動車関連の下請け会社など経済に広く影響が出ている。追加の給付金や消費税の5%への引き下げなどで支援を拡充していく。

 過疎化で市町村の合併や公共施設の削減がどんどん進められてきた。医療や福祉など人の暮らしを支える分野のゆとりを取り戻したい。病院や高齢者施設を増やすことで若い人の雇用の場も作っていく。

 府北部において平和で安全に暮らせるようにするため、日本海の緊張を高める要素になっている京丹後市の米軍Xバンドレーダーをなくすことに力を入れる。原発をゼロにし、再生可能な自然エネルギーを中心にした社会を実現していく。 

<横顔>

 「戦争だけはあかん」。大阪府藤井寺市で育った少年時代、小中学校で盛んだった平和教育に触発され、反戦への思いを膨らませた。共産党が戦時中も戦争反対を訴え続けたとされる歴史に共感し、党職員の道を選択。衆院選には京都5区で過去2回挑戦し、改憲阻止を強く主張した。休日は健康維持も兼ねて山歩きで気分転換し、京都府北部の大江山や青葉山などに繰り出す。党職員は「山派」と「釣り派」に分かれるといい、「偶然性がある釣りと違い、山はずっと歩けば頂上にたどり着く」と着実さを好む。

井上 一徳(いのうえ・かずのり)(59) 無所属前

井上一徳氏

■地方に手厚い政治必要

 京都府北部は平成元(1989)年に人口約35万人だったが、令和元(2019)年には約28万人と7万人減っている。大きな市が一つなくなった計算で、20年後には20万人を切ってしまう。こんなことが続けば地方に未来はない。この流れを何とか変えていきたい。

 そのためにはもっと地方に手厚い政治が必要だ。たとえば、京都市は特別自治市として独立させ、府が残りの府域で人口減少や空き家、休耕地などの問題に専念する統治の仕組みをつくる。地方を再生するため農業や林業、水産業など第1次産業の抜本的な強化にも取り組む。バランスが取れて、どこでも住みやすい日本に作り直していきたい。

 コロナ対策では、大胆な経済政策が求められている。地方で公共投資を進め、積極的な財政支出を行う。個人消費を回復させるためには、消費税の減税が必要だ。医療体制の充実に向けては病床が逼迫(ひっぱく)しないよう、民間病院に対し協力を求め、公的病院と連携する仕組みをつくる。
 

<横顔>

 京都府舞鶴市で生まれ育った。大学生の時に1年間休学してアジアなど海外を巡ったことで、敗戦から経済大国に成長した日本を誇りに思い、「国のために働きたい」と防衛庁(現防衛省)に入った。自衛隊の活動や安全保障に関わる仕事にやりがいを感じていたが、バブル崩壊以降の国の停滞に危機感を抱き、政治家に転じた。趣味の書道は議員仲間と週1回勉強会を開くほど親しみ、「静かな時間を過ごせるのが魅力」という。好きな映画は「男はつらいよ」で、「泣けるし、笑えるし、人情味がある」と太鼓判を押す。
 

本田太郎(ほんだ・たろう)(47)自民前

本田太郎氏

■交通網や災害対策充実

 少子高齢化と過疎化が進む地方の活性化を訴えたい。コロナ禍によってテレワークが普及し、田舎に住んでいても都市部の企業で働くことが可能になりつつある。国はそうした動きを一層後押ししていく必要がある。さらに今後は地方でも教育や医療を都会と遜色なく受けられるようにするとともに、交通網や災害対策といったインフラを充実させることで、都市部からの移住を促進したい。

 中国の公船が日本の領海に侵入を繰り返すなど、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しい状況にある。現行法でも一定対応できているが、中国がさらに覇権主義的な動きを加速させれば対応できなくなる可能性もある。そういった事態を想定し、憲法改正も含めた幅広い議論が必要だ。コロナ禍で露呈したデジタル化の遅れも解消していきたい。

 参院選広島選挙区での買収事件など政治とカネを巡る問題で支援者から厳しい声を頂いている。政権与党の一員として反省するとともに、今後も清新な姿勢で国政を前に進めていく。

<横顔>

 京都府向日市出身。東京大大学院を修了後、弁護士として働いた。だが法律という枠組みの中で問題を解決することに限界を感じ「仕組みを作る立場になりたい」と転身を決意。府議を経て、前回衆院選で初当選した。1期目の成果には舞鶴港・舞鶴国際埠頭(ふとう)の拡張工事決定などを挙げ、「地元と一緒に国に働き掛け、必要性を理解してもらえた」と振り返る。最近はまっているのが高校バレーボール部が舞台の人気アニメ「ハイキュー‼」。競技経験はないが「一つのことに懸命に取り組む姿を見ると、気持ちが爽やかになる」という。