重要文化財の西本宮拝殿で献茶する中澤家元(大津市坂本5丁目・日吉大社)

重要文化財の西本宮拝殿で献茶する中澤家元(大津市坂本5丁目・日吉大社)

 日本最古と伝わる茶園を有する大津市坂本5丁目の日吉大社で23日、煎茶道黄檗売茶流(おうばくばいさりゅう)の家元による献茶祭が営まれた。木々が色づき始めた比叡山麓の爽やかな空気の中、参拝者らが家元のお点前に見入った。

 同市坂本は、天台宗の開祖最澄が約1200年前、唐から茶の実を持ち帰りまいたことから、「茶発祥の地」とされる。日吉大社は年に3回、献茶祭を開き、各流派の家元が茶園で採れた茶を奉納する。

 黄檗売茶流は2013年から中澤孝典家元(45)が献茶。国の重要文化財に指定されている西本宮拝殿に設けられた茶席で茶を入れ、神職が神前に供えた。
 

 昨年は新型コロナウイルス禍で限られた関係者しか参加できなかったが、今年は門下生や一般の参加者も出席した。中澤家元は祭事の後、「コロナ禍で行事も制限され、今までいかに恵まれていたかを考える機会になった。伝統文化の中にいると変化を恐れがちだが、収束後の生活でも変化を恐れないようにしたい」と話した。