自動車解体業に着想を得て、男山団地の住民が手放した車や家財道具を圧縮した作品(京都府八幡市八幡・松花堂庭園)

自動車解体業に着想を得て、男山団地の住民が手放した車や家財道具を圧縮した作品(京都府八幡市八幡・松花堂庭園)

 5人の芸術家が京都府八幡市に滞在し、地域の風土を題材に手掛けた作品の展示が同市八幡の松花堂庭園と石清水八幡宮で行われている。生活や産業に注目し、観光名所にとどまらない同市の多彩な姿を伝えている。

 府などが2年前から催しているアートイベント「もうひとつの京都」の一環。今年は宮津市や南丹市など府内6カ所で開き、八幡市も初めて会場となった。作家らは7月ごろから男山団地で暮らし、史跡の見学や住民との交流から着想を得て作品を仕上げた。

 石清水八幡宮の麓にある頓宮には、鉄筋が露出したコンクリートのがれきを並べて枯れ山水庭園のように仕上げた島袋道浩さんの作品「再生」が展示。

 松花堂庭園では宮本一行さんが、木津川の流れ橋(上津屋橋)の橋板をリズム良く踏み鳴らす足音を録音した「共振する躯体(くたい)」を出展。同市で盛んな自動車解体業の車の集積場に着目した石川竜一さんは、団地住民が手放した車や家具を圧縮処理して生活の痕跡を凝集させた「Hōjōナウ‼」を展示する。

 府文化芸術課は「地域の日が当たりにくい部分を可視化した作品を通じて、さまざまな人の営みに目を向けてほしい」と話す。

 11月7日まで。松花堂庭園は金土日曜と祝日および同月4日の午前9時~午後5時、石清水八幡宮は毎日午前9時~午後4時に公開。