京都地裁

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 元アルバイト先の店に忍び込んで現金を盗んだとして、建造物侵入と窃盗の罪に問われた男性(30)の判決公判が27日、京都地裁であった。赤坂宏一裁判官は「被告人が犯人であることについて合理的な疑いが残る」として無罪(求刑懲役2年)を言い渡した。

 男性は、昨年2月3日未明、宇治市神明のピザ店に施錠されていた従業員入り口から侵入し、金庫から現金約63万円を盗んだとして起訴された。

 これまでの公判で検察側は、犯行に使用されたカードキーが男性に貸与されたもので、事件前に店を辞めたが返却されていないと指摘。家賃の滞納が常態化する経済状況にもかかわらず、事件後に多額の出費をしていると主張していた。

 弁護側は、カードキーは事件前に店舗事務所の机に置いて返却したと反論。出費についても数十万円のタンス預金があったとして無罪を訴えていた。

 判決理由で赤坂裁判官は、「犯人の可能性は相当高いが、それでも犯人でなければ説明できない事情があるとは言えない」と指摘。カードキーを事務所に置いて帰ったことは十分にありうることで、従業員の誰かが取って犯行に及ぶことが可能だとして、男性の犯行とする立証が十分でないと結論付けた。

 京都地検の伊藤伸次次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。