歴代3首相が訪れた京都市

歴代3首相が訪れた京都市

 終盤に入った衆院選で、各政党が京都府内に「党の顔」を続々と投入し、てこ入れを図っている。そんな中、現前元の歴代3首相が候補者を応援するため街頭に立った。国政の最高責任者と経験者はどんな言葉で何を有権者に訴えるのか。関心と期待を抱いて取材に出向いた。

 雨天だった25日昼、京都市役所前(中京区)に登場した岸田文雄首相(自民党総裁)は「選挙は国の未来をみなさんに選び取ってもらう機会」と歯切れ良く呼び掛けた。一方、総裁選で打ち出した「令和版所得倍増」のフレーズは聞かれず、「給料所得を上げる経済政策を進める」とトーンダウンした印象を受けた。

 同じ日に安倍晋三元首相、24日には菅義偉前首相が京都入りした。合わせて9年近く政権を担った2人。アベノミクスによる雇用情勢の回復やワクチン接種の実績を訴えた。政権の成果を強調する演説を聞きながら、未曽有の新型コロナウイルス禍で深刻な思いをした人の取材を思い出した。

 新規感染者の急増で長時間労働となり、体調を崩して退職を余儀なくされた保健所の20代保健師。緊急事態宣言の影響で客足が激減した接客業の30代女性。この女性は今回、「初めて投票に行くことを決めた」という。どうしてか。「国がすることに文句を付けるなら、まず投票してからにしようと思った」

 歴代3首相は「○○候補を国会に押し上げてください」と懇願して去った。衆院選は終盤を迎え、同様の訴えは与野党問わず増えるだろう。けれど、コロナ禍で傷つき、追い込まれた人たちを思うと、「大物」とされる政治家にこそ社会の処方箋を明確に語ってほしい。