大津地方裁判所

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 競馬場で新型コロナウイルスの感染防止対策のルールに違反したことを理由に、日本中央競馬会(JRA)から不当な厩舎(きゅうしゃ)の馬房削減処分を受けたとして、栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)所属の男性調教師が、JRAに約700万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、大津地裁(堀部亮一裁判長)であった。JRA側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、JRAは昨年10月上旬、レース後の優勝馬の記念撮影について、同月10日以降は「馬主と調教師、厩務員(きゅうむいん)のみ参加できる」と各調教師にメールで通知。男性調教師は同日の東京競馬場での11レースで管理馬が優勝した際、馬主のほか、騎手とも写真撮影した。

 これに対し、JRAは「調教師としての自覚を著しく欠き、競馬開催の継続を脅かす重大な行為」として、今年3月1日以降、男性調教師に貸し付ける厩舎の馬房数を28から2減とする処分をした、としている。

 男性調教師は訴状で、メールの「騎手参加不可」の記述を見落としたが、撮影時に周囲にいた十数人のJRA職員は誰も注意しなかったと主張。馬房削減措置は5年間続けられる旨を伝えられ、管理する馬の登録数を5頭減らさざるを得ず、厩務員1人の解雇の必要性も出ており、経済的損失は大きいとしている。騎手や馬主は何ら制裁を受けておらず、「原告のみをターゲットにした恣意(しい)的で一方的な処分で、JRA理事長の裁量権を逸脱し違法だ」としている。

 男性調教師は、2012年の有馬記念で優勝したゴールドシップや、今年の桜花賞馬ソダシなどを調教した。